今回は4歳児におすすめの遊びを7つの種目別に紹介したいと思います。
4歳児になると道具の使い方にも慣れ、いろいろなスポーツに必要な「技能」が身についてきます。また、少人数や集団での遊びも増えてくることから、身につけた技能を活用して、難しい遊びにもどんどん挑戦してみましょう。紹介する7種目は「ボール・鬼・表現・固定遊具・フープ・縄・マット」に関する遊びです。1歳児、2~3歳児、5歳児の遊びについても別の記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
①ボール遊び
・ボールキャッチ
ボールを高く投げ上げて、それをキャッチするという遊びです。初めは純粋にボールを投げ上げ、キャッチするという遊びから始め、慣れてきたら投げ上げている間に拍手をしてみましょう。何回拍手ができるか数えながら遊ぶと目標が明確になります。また、投げ上げている間に1回転したり、しゃがんだりしてみても楽しむことができます。
・ボール蹴り(狙う)
2~3歳児の遊びでも紹介しましたが、4歳児では目標物を狙いながらボールを蹴るということに挑戦してみましょう。投げて狙うことよりも難易度が上がりますので、最初は壁などの広い目標を設定し、徐々に目印を小さくしていくことがおすすめです。周囲に人がいないことを確認し、広い場所で行いましょう。
・ボール渡し
1列に並び、頭の上や足の間、体の横など、いろいろなところからボールを渡していく遊びです。基本的には前の人から後ろの人へと渡していきますが、横に並び、横の人に渡したり、後ろの人から前の人に渡したりなど、ボールの流れを工夫するとバリエーション豊かに遊ぶことができます。
・転がしドッジボール
逃げられる範囲を決め、その範囲の外から外野がボールを転がし、当てられたら交代する遊びです。基本的は円形を描き、逃げる人は円の中へ、当てる人は円の外から当てることとなります。通常のドッジボールと違い、転がすことしか許されないため、ドッジボールに苦手意識や怖さをもっている子どもも安心して遊ぶことができます。ドッジボールのルールに慣れるための前段階として設定してもよいでしょう。
②鬼遊び
・影踏み鬼
影を踏むことで鬼が入れ替わる鬼遊びです。人ではなく影を踏むということで、晴れている日限定の遊びとなりますが、影の動きを計算して踏んだり、避けたりするため、通常の鬼ごっこよりも頭を使う遊びとなります。踏んだ、踏んでないという判定でもめることがあるため、際どいときは大人の方が判定してあげるとよいかもしれません。
・高鬼
鬼は地面より高い場所に昇れない鬼遊びです。アスレチックや段差がある場所で楽しむことができます。ただ、基本的に逃げる側が有利な条件であるため、2~3歳児の遊びで紹介した島鬼と同様に、高い場所に昇っていられる時間を決めるとよいでしょう。
・しっぽとり
新聞紙やタオルをしっぽに見立ててお尻につけ、しっぽを取り合う鬼遊びです。ただ、鬼ごっこと違い、しっぽをとったとしても鬼が変わることはありません。そのため、制限時間内に多くのしっぽをとった人が優勝となります。しっぽをとられた後も他の人のしっぽをとっても大丈夫ですが、最後までしっぽが残っていた人を上位とし、その中でたくさんしっぽをとれた人が優勝とするとよいでしょう。
・氷鬼
タッチされたら氷となりその場から動けなくなる遊びです。仲間にタッチされると氷が溶け、再び逃げられる点が特徴です。注意しないといけない点は、鬼が変わらないという点です。氷鬼では制限時間を設けて、その時間が経過するか、鬼が全員氷にするかどちらかの状況にならない限り終わりません。しかも、鬼が変わらないため、鬼役の人は終わりまで追いかけ続けることなります。そのため、鬼の数は全体の半分半分より少し少ないくらいに設定し、時間としては30秒~40秒を目安に調整するとよいかと思います。
・ねことねずみ
2つの列をつくり、1つはねこの列、1つはねずみ列として向かい合います。列の間は互いが手を伸ばして当たらない程度の距離をとしましょう。呼ばれた列の人は目印(木や線)まで逃げ、呼ばれなかった列の人は向かい合っていた人を追いかける遊びです。代表者が「ね~ね~ね~ねこ!!」のように「ねこ」か「ねずみ」、または「ね」から始まる言葉(ねぎ、ねじ、ネクタイなど)を言い、その言葉に素早く反応して逃げたり、追いかけたりします。反射神経や瞬発力を養うことのできる遊びです。

③表現遊び
・縄で作った形を表現
縄で作った自由な形を体で表現してみます。規則正しい形や、ふにゃふにゃしたおかしな形などをランダムに作り、その形を体で表現してみます。完全に表現することはもちろん難しいですが、子どもによって表現の仕方が違うため、お互いの表現の違いを楽しむことができます。
・新聞紙をちぎった形を表現
新聞紙をちぎってできた形を表現してみる遊びです。縄で作った形を表現する遊びと同様に、ランダムに新聞紙をちぎり、その形を表現してみます。ちぎることも楽しいのですが、その形を体で表現するところまで発展させられると活動量も確保することができます。
・布の動きを表現
布を揺らしたり、丸めたり、たたんだりと、布の動き、形を表現してみます。遊び方は上記の2つと同様ですので、手元にある道具を選択して遊んでみてください。
・ボールの動きを表現
ボールのように転がったり、跳ねてみたりとボールの動きを表現してみます。ボール遊びからの発展として取り入れるとよいかと思います。ボールには、ボールならではの「転がる」や「跳ねる」といった動きがありますので、他の道具では表現できない動きを引き出すことができます。ボール遊びに夢中になるかもしれませんので、ボールは各自に持たせるのではなく、代表者が持つことをおすすめします。
④固定遊具遊び
・固定遊具間の移動
固定遊具にタッチをしながら移動する遊びです。固定遊具そのものを利用するのではなく、固定遊具の間をタッチしながら移動するという遊びになります。固定遊具が単独でしかない場合はできない遊びですが、複数の固定夜臼がある場合は活動量が確保できますので、ぜひ遊んでみてください。
・ジャングルジム
じゃんけんをしながらジャングルジムを移動したり、鬼ごっこをしたりしてみましょう。鬼ごっこをする際には、逃げることに夢中になり、どうしても焦りが出てしまうため、のぼっていい高さを制限するなど、安全面に配慮しながら遊ぶ必要があります。ただ、ジャングルジムならではの追いかけ方や逃げ方もありますので、遊びを禁止するのではなく、大人が注視しながら遊びを楽しめるといいですね。
※リュックなどを背負っていたり、ひもなどが体の近くにないことを確認してから遊びましょう。事故の原因となります。
・鉄棒
ぶら下がり、布団干し、ぶたの丸焼き、足相撲などに挑戦してみましょう。4歳にもなると、鉄棒でもいろいろな技に挑戦できるようになります。お腹に鉄棒を挟んで布団のようになってみたり、両手、両足で鉄棒をつかむ豚の丸焼き、両手でぶら下がりながら、足で相手を捕まえる足相撲など、いろいろな技や遊びで楽しむことができます。
⑤フープ遊び
・転がし合い
ペアで向かい合い、フープをまっすぐ転がし合う遊びです。大人の方も挑戦してみてほしいのですが、フープをまっすぐ転がすことは非常に難しい技術となります。まっすぐ転がることは稀になるかと思いますが、右や左に転がりながら、お互いにフープを転がし合ってみましょう。
・転がし競争
誰が一番遠くまで転がせるか競争する遊びです。上記の転がし合いで練習をした後、みんなで転がせる距離を競ってみましょう。
・色鬼
鬼遊びの内容と重複しますが、様々な色のフープを用意し、指示されたフープの中に入る前に捕まえる鬼遊びです。フープを使うことによって、周りに色のない場所でも色鬼を楽しむことができるようになります。一つのフープに一人しか入れないなどの制限を設けて、フルーツバスケットのような要素を取り入れても楽しむことができます。
・ケンケンパ
フープを床に並べ、片足もしくは両足でジャンプをしながら移動する遊びです。大きさの違うフープがあれば大小様々なフープで場を作ることをおすすめします。フープの数が必要となりますので、数が足りない場合は地面に円を描いて楽しみましょう。
⑥縄遊び
・長縄くぐり
回っている長縄をタイミングよく、くぐり抜ける遊びです。4歳になると長縄で集団遊びもできるようになってきます。最初は怖さが勝ってしまうかと思いますので、縄を回す役の人はゆっくり回してあげましょう。どうしても入れない場合は、友達と手をつないでくぐってみたり、大人の人と一緒にくぐってみたりすると、くぐるタイミングを知ることができます。
・長縄跳び
揺れている長縄を、前後、左右に連続して跳ぶ遊びです。縦一列に並んだ場合は横跳び、横一列に並んだ場合は前後跳びで遊ぶこととなります。ゆっくりゆらゆらと揺れるひもをみんなで跳びこす楽しさを感じることができます。「郵便屋さん」という歌などに合わせて跳んでみると、タイミングよく跳びこせるかもしれません。
・縄跳び(短縄)
縄を回し、足元に縄がきたら跳ぶという動作を連続して行う遊び。通常の短縄跳びを想像してもらえたらと思います。連続して跳ぶことはまだ難しいですが、1回ずつ確実に跳ぶということであれば4歳児でも十分できます。縄を回す動作と、縄を跳びこす動作をそれぞれ確実に行えるように練習してみましょう。
・かけあし跳び
走りながら縄を回し、足元にきたら縄を飛び越えるという動作を繰り返し行う遊びです。短縄に慣れていないと難しいですが、かけあし跳びのほうが得意という子どももいます。そのため、短縄跳びを練習しながら、かけあし跳びでも遊んでみると、縄跳びの面白さが持続するかと思います。
⑦マット遊び
・跳び箱
マットを丸めて跳び箱のように跳び越して遊びます。4歳児になると幼稚園や保育所などで跳び箱に挑戦する機会が出てくることがあります。その場合、最初は跳び箱に対する抵抗感が強い子どももいますので、マットを丸めてぶつかっても痛くない状態で練習させるとよいでしょう。自宅でも布団を丸めることで同様の状況を作り出すことができますので、よじ登ったり跳び越えたりして遊んでみましょう。
・押し相撲
押し合うことを中心とした相撲遊びです。芝生の上で行われたりもしますが、マットの上で行うこともできます。投げることは基本的に禁止として、押し出すことを目的として遊びましょう。
・ゆらゆらマット
マットの上に子どもが乗り、そのマットを大人が揺らす遊びです。立った状態で揺らすため激しく揺らしすぎないよう注意しましょう。また、マットの上に乗る人数が多すぎると転倒した時に危険が生じますので、マットの大きさにもよりますが、多くても4人程度が良いでしょう。バランス感覚を養うことのできる遊びです。
・転がり遊び
複数人でうつ伏せになり、横一列に寝ます。端の子が他の子の上を転がりながら、反対側の端まで移動するあそびです。マットがなくてもすることは可能ですが、他の子どもが自分の上を転がりますので、多少なりとも圧迫されることとなります。そのため、マットの上で行うことが望ましいです。

以上、4歳児におすすめする遊びを7つの種目別に紹介しました。個人での遊びから少人数や集団遊びへと変化し、遊び方が高度になってきます。遊びの中からいろいろな技能を身につけ、それを活用しながら、さらに運動遊びが楽しくなるといいですね。
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