保育現場でも活用できるボール遊び20選!!

運動遊び

今回はボール遊びの具体例について年齢別にご紹介したいと思います。

年齢は目安ですので、子どもたちの運動能力や経験に合わせて適宜選択してもらえたらよいかと思います。遊びのねらいや安全面の配慮等については、年齢別にまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてください。

1歳児のボール遊び

①ボール転がし

当たり前ではありますが、1歳児はボールをまだまだ上手く扱うことができません。そのため、「投げる」という動作が非常に高いハードルとなります。ただ、地面に放り投げて「転がす」という動作であればそのハードルはぐんと下がります。そのため、転がし方にはこだわらず、持っているボールをタイミングよく離す、ということを目的に、たくさん転がして遊んでみましょう。それだけで十分な運動となります。

◎ポイント

転がし方にはこだわらず、持っているボールをタイミングよく離す、ということを目的にしてみましょう。

②ボール渡し

ボール転がしと同じく、まずはボールを投げるのではなく、誰かに渡すところから始めてみましょう。ボールは球体であるため、「掴む」という動作が他の玩具に比べて難しくなります(オーボールなどは除きます)。そのため、ただ渡すというだけでも体の動かし方を知る良い機会となります。渡したり、渡されたりといった動作を繰り返しながら、ボールに慣れましょう。

◎ポイント

渡したり、渡されたりといった動作を繰り返しながら、ボールに慣れましょう。

③バランス遊び

ボールを利用してバランスをとる遊びに挑戦してみましょう。この遊びは大人が子どもを支える必要がありますので、子ども一人では行うことができません。その点にご注意ください。

子どもを支えながらボールの上に乗せ、弾ませたり、転がらせたりします。理学療法としても実践されている遊びですので、1歳の子どもにも最適な遊びの一つといえます。腹ばいにさせたり、立たせたり、座らせたりと、いろいろな体位でボールの上にのせてあげましょう。もちろん、ボールの上から落ちないように支えてあげることを忘れないように注意しましょう。

◎ポイント

腹ばいにさせたり、立たせたり、座らせたりと、いろいろな体位でボールの上にのせてあげましょう。

2歳児のボール遊び

①ボール転がし(目標あり)

1歳児で紹介したボール転がしとは少し違い、2歳でのボール転がしは目標物に向けてボールを転がします。2歳では徐々にボールを投げることにも慣れてきますが、まだまだ難しい動作となります。目標物に向かって転がすことも簡単ではありませんが、新しい遊びの一つとして楽しむことができます。大きな目標物を設定してあげたり、複数の目標物を設定してあげたりしながら、目標物に当たる喜びを経験させてあげましょう。

◎ポイント

大きな目標物を設定してあげたり、複数の目標物を設定してあげたりしながら、目標物に当たる喜びを経験させてあげましょう。

②ボール投げ

徐々にボール投げに挑戦してみましょう。投げ方はまだ定まっておらず、片手での上投げは難易度の高い投げ方となります。そのため、両手投げや、片手での下手投げなど、好きな投げ方でボールを投げてみましょう。持っているボールを手からタイミングよく離すことが「投げる」という動作につながりますので、いろいろな投げ方でボールを放り、前や上、後ろなど、とにかく勢いよく離してみましょう。

◎ポイント

いろいろな投げ方でボールを放り、前や上、後ろなど、とにかく勢いよく離してみましょう。

③ボール蹴り

ボール遊びに慣れてきたら、ボールを蹴って遊んでみましょう。最初はボールを足に当てることが難しいかもしれませんが、遠くに飛ばすというよりも、とにかく「当てる」ことを意識してみましょう。何度も蹴る中で遠くにボールを蹴ることができると、楽しさや嬉しさにつながります。広い場所が必要になりますので、遊ぶ場所に気を付けながら楽しみましょう。

◎ポイント

遠くに飛ばすというよりも、とにかく「当てる」ことを意識してみましょう。

④ボール回し

ボール操作を上達させる遊びとなります。ボールを片手で持ちながら、お腹の周りを回したり、膝の周り、顔の周りなど、いろいろな箇所をぐるぐると回してみましょう。片手でボールを持つことが難しい場合はオーボールなど、持ちやすいボールを使用すると難易度が下がります。また、大きいボールは回しづらいことがありますので、最初は手のひらと同じか少し大きい程度のボールを選んで遊んでみましょう。

◎ポイント

最初は手のひらと同じか少し大きい程度のボールを選んで遊んでみましょう。

3歳児のボール遊び

①ボールストップ

転がされたボールを足の裏、膝、肘、お尻など、体のいろいろな部分で止める遊びです。シンプルな遊びですが、ボールに慣れるために最適な遊びの一つです。二人組を作り、お互いに向かい合います。そして、片方の人がゆっくりとボールを転がします。転がってきたボールを向かいの人はいろいろな箇所で止めるという遊びです。体とボールの距離感を掴むことにもつながりますので、非常におすすめの遊びです。

◎ポイント

ボールを止めやすいように大きめのボールを使うと良いでしょう。

クレーン

体幹が鍛えられる遊びです。二人組を作り、お互いに足を伸ばして座ります。片方の人はボールを足の間に挟み、もう片方の人に足で渡します。ボールを渡された人は、足でボールを挟んでそのボールを受け取ります。遊び自体は簡単に思えるかもしれませんが、腹筋とバランス感覚が必要となる遊びですので、運動量も確保することができます。慣れてきたら1回転してから渡すなど、アレンジを加えてみましょう。

◎ポイント

両手で体を支えながら、ボールをペアの人に渡すようにしてみましょう。

4歳児のボール遊び

①ボール投げ、キャッチ

ボールを真上に投げ上げ、キャッチする遊びです。真上に投げることは意外と難しいため、下手投げでも構いません。思い切り投げ上げたら、落ちてくるボールをキャッチしましょう。慣れてきたら、投げ上げて落ちてくるまでに何回拍手ができるか試してみるのも良いでしょう。投げる、捕るといった動作を何度も経験して、ボール操作技能を向上させましょう。

◎ポイント

投げる、捕るという動作を確実に行えるようにしましょう。

②ボール蹴り

2歳児でも紹介しましたが、4歳児では目標物に向かってボールを蹴ってみましょう。投げて目標物にボールを当てることより、さらに難易度が上がるため、難しい課題となります。そのため、目標物は大きなものから始め、確実に当たるようなものや的にして、達成感を味わえるようにしましょう。慣れてきたら、目標物やボールを小さくしていき、さらに技能を高めていきましょう。

◎ポイント

目標物は大きくて確実に当たるものから、徐々に小さくしていきましょう。

③当て鬼

鬼ごっことボール当てが合体した遊びとなります。鬼はボールをもち、その他の人に当てることで鬼を変わることができます。走りながらボールを投げるという複雑な動作が含まれるため、知らず知らずのうちに体のいろいろな動かし方を学ぶことができます。参加人数にもよりますが、参加人数が多い場合は鬼の人数も複数人にして、鬼が孤立してしまわないよう工夫をしてみましょう。

◎ポイント

走りながら投げるという動作を遊びの中で体験しましょう。

④ボール渡し

グループを作り、メンバーが一列に並んでボールを渡していく遊びです。ボールの渡し方は頭の上を通過させたり、体の横を通過させたり、股の下を通過させたりと、いろいろな渡し方でボールを送ってみましょう。複数のグループを作って、どのグループが一番早くボールを最後の人まで渡せるか競争するのも盛り上がります。ボールの扱いに加えて、他の人とのチームワークも学ぶ機会となります。

◎ポイント

グループのメンバーと力を合わせて、スムーズにボールを渡せる方法を考えましょう。

⑤転がしドッジボール

転がすことに限定したドッチボールになります。基本的には円形のフィールドを準備して(四角でも三角でも構いません)、中の人、外野の人を決めます。外野の人は協力して、中の人を当てていきます。通常のドッチボールと違う部分は、ボールを投げるのではなく、転がして送るという点です。多少バウンドしてしまうことはあるかと思いますが、基本的には転がして中の人を当てます。慣れてきたらボールを増やしても良いですが、外野の人がボールを捕りに行かなくてはならなくなるため、周りの環境を考えてフィールドを設定しましょう。ボールを捕ることがなく、よけることに専念できること、顔や上半身にボールが当たる可能性が低いことから、ドッチボールが苦手な子でも楽しむことができます。本格的なドッチボールに入る前に、ルールを覚えるためにも遊んでみましょう。

◎ポイント

ボールをよける、または当てるためにはどうしたらよいのか、個人、またはチームで考えてみましょう。

5歳児のボール遊び

①ボール投げ、キャッチボール

4歳児でも同じ遊びを紹介していますが、5歳児ではさらにアレンジした遊びを楽しんでみましょう。ボールを投げ上げて、落ちてくる間に拍手を5回、できる人は7回に挑戦してみましょう。また、投げ上げた後、1回転してボールをキャッチしたり、投げ上げる手を片手にしてみたりなど、様々なアレンジを加えて遊んでみましょう。

◎ポイント

ボールを投げ上げて、キャッチするまでの動作を一つ一つ確実に行ってみましょう。

②ペアリレー

2人組をつくり、二人で目的地までボールを運ぶ遊びです。最初はボールを二人で手にもって運んでみましょう。上手く運べたら、次はお腹でボールを挟んで、次は背中でボールを挟んで、最後はお尻でも挟んでボールを運んでみましょう。いろいろな運び方でボールを運ぶことで、ペアのコミュニケーションも高まりますので、アイスブレイクの一つとしても活用することができます。

◎ポイント

目的地までの距離の設定やボールの大きさなどを変えながら遊んでみましょう。

③サッカー遊び

ボールを蹴りながらゴールへとボールを運んでいく遊びです。5歳段階だとまだまだ組織的なサッカーは難しい部分がありますので、シュートゲームのような遊び方でも大丈夫です。ゴールを複数準備して、交替でシュートをしてみるという遊び方のほうが、子どもたちの達成感は高めることができるかもしれません。サッカーという形式にとらわれず、ボール蹴り遊びの延長とし捉えてみましょう。

◎ポイント

ボールを蹴る楽しさを感じられるような環境構成を考えてみましょう。

④ドッジボール

非常に人気があり、有名な遊びです。基本的なドッチボールは内野、外野に分かれて行いますが、王様ドッジボール、アメリカンドッジボールなど、少しルールの違った遊びも存在します。それらについて以下で説明したいと思います。

ドッジボールは人気な遊びである一方、ボールが怖い子どもにとっては恐怖の遊びでもあります。そのため、最初はやわらかいソフトバレーボールなどを使うと良いでしょう。また、フィールドの大きさも参加人数によって検討する必要があります。最適な環境を整えてあげながら、みんなが楽しく遊べるようにしましょう。

◎ポイント

ボールの大きさ、固さ、フィールドの大きさなど、環境設定に目を向けてみましょう。

⑤王様ドッジボール

ドッジボールの一種となります。基本的なルールは変わりませんが、メンバーの中に一人王様を決めます。その王様が当てられることによってゲームが終了するというルールです。そのため、誰が王様なのかを見極めて、王様を当てることで早く勝利を決めることができます。誰が王様になるのか、また、王様の人は王様であることを悟られないようにするなど、戦略的な部分が加わります。通常のドッジボールに慣れてきたら、王様ドッジボールなどのアレンジにも挑戦してみましょう。

◎ポイント

王様を決めることで変わってくる遊び方の変化を楽しみましょう。

⑥アメリカンドッジボール

ドッジボールの一種となります。このドッジボールは外野を設定せず、一本のラインで相手側と味方を分けます。そして、当てられた人は相手チームに入るというルールとなります。外野がいないため、ボールが転がっていくことが多々ありますが、少ない人数でもできるドッジボールであり、ボールに当たったとしてもチームが変わるだけであるため、積極的にボールを捕りにいくことができます。ドッジボールに必要な技能を向上させるためには最適な遊びと言えるでしょう。

◎ポイント

積極的にボールを捕りにいき、捕球技能を高めましょう。

⑥ボーリング

ボールとペットボトルを利用した遊びとなります。5歳以下でも楽しむことができますが、ボール操作に慣れてきた5歳児から、遊びの本質的な部分を楽しむことができるかと思います。ペットボトルは500mlのものが倒れやすく、準備もしやすいです。数本2ℓペットボトルを加えてもよいでしょう。ボールはできるだけ大きいものが良いのですが、慣れてきたら徐々に小さく軽いものに変えてみましょう。何本倒れたのか、また、ペットボトルごとに得点をつけ、倒れた合計得点で競ってもよいでしょう。いろいろなアレンジを加えながら楽しみましょう。

◎ポイント

ボールやペットボトルの大きさを変えながら、どうしたら倒れやすいのか考えてみましょう。

ボール遊びをする子ども

今回はボール遊びの具体例についてお話ししました。

また随時更新していこうかと思いますので、よかったら参考になさってください。

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