運動会における教員事情~春開催、午前中のみの運動会が増えている?~

雑記

今回は運動会における教員事情についてお話ししたいと思います。

運動会の実態

昨日、以下のような記事を読みました。

午前のみの運動会増 保護者は賛否 – Yahoo!ニュース

最近、午前中のみの運動会が実施されたり、秋ではなく春の運動会が実施されているとのこと。

この話題について考えてみたいと思います。

まず、春に開催される運動会というものですが、私個人としてはそれほど珍しいものではないかと感じています。

と言いますのも、私自身が小学生だったころ、1年生と6年生のみで行われる「こいのぼり運動会」というものがあり(秋にも全学年での運動会がありました)、小学校教員として赴任した学校においても、5月に実施していたという経験があるからです。

小学校教員として赴任した学校については、「公開研究会」という教員向けの授業研究会のようなものが秋にありましたので、その関係で運動会を春に行っていたのですが、そのような事情がなくとも、最近は春に行う学校が増えてきたということですね。

午前中のみの開催という実施形態については、ここ10年で急速に増え、コロナの影響でさらに加速した感覚があります。

上記の記事にもあるように、保護者の反応は様々なようですが、教員目線から考えると、全然ありだと感じます。

教員目線の運動会準備

さて、運動会の実施時期や実施方法については上記でお話ししたように、春先の実施、午前中のみの実施、などが増えているようですが、これらについて教員目線で考えてみたいと思います。

春先の実施

まず、春先に実施するということについてですが、正直、年度初めはめちゃくちゃ忙しいです。

学級開きとともに運動会の準備に取り掛からなくてはならないため、毎週の体育の時間はぎりぎりまで内容を詰め込みます。

現在はかなり削られているかと思いますが、基本的に、徒競走、ダンス、団体競技というものが全員出場の種目となり、それに加えて、選抜された子ども達は学年リレー全校リレーといった種目が追加されます。

週に3回体育があったとしても、全員参加である徒競走、ダンス、団体競技にそれぞれ1時間ずつ割かれるとすると、年度が始まってからの体育はほぼすべて運動会練習となります。

あまり知られていないかもしれませんが、それぞれの種目において、入退場、並び順、競技(演技)方法などの指導があり、ただ走るだけの徒競走においても、「走る」以外の指導要素が含まれているわけです。

低学年であれば運動会の経験が少ないため、全ての種目で時間をかける必要があり、高学年になれば、ダンスや団体競技の指導に熱が入るというのもありますが、運営(放送や用具の準備、出発準備など)に関わる準備も必要となりますので、体育以外の時間も使うことがあります。

このように、秋に実施の運動会であれば、比較的ゆとりをもって準備ができるのですが、春先の運動会は新年度が始まって間もない段階から準備が必要となるため、新たに着任した教員などは目が回るような状況だと思います。

午前中のみの実施

こちらに関しては、教員目線でいえば賛成です。

理由としては、単純に業務が減るからです。

上記でもお話ししたとおり、徒競走でさえしっかりと指導時間が必要となりますので、種目が減るということは、その分、ゆとりをもった指導を行うことができます。

1日を通しての運動会を経験してきた保護者世代からすると、確かに物足りないかもしれませんが、熱中症の増加など、子ども達の健康面を考えると、時代の移り変わりなのだと受け止めてもらうしかありません。

子ども達も物足りなさを感じているのかというと、必ずしもそうではなく、これからの子ども達は午前中のみの運動会が当たり前になってくるかもしれませんので、これも時代の移り変わりなのだと感じます。

余談

ちなみにですが、運動会当日の出勤について、私の勤めていた小学校では、若手男性教員は朝5時集合でした。

もちろん、強制されたわけではありませんので、勝手に集まっていただけです。

ただ、それには理由があり、朝6時頃になると、保護者の方が見やすい席を求めて校門に並び始めるのです。

それに対応するため、少なくとも6時には学校にいる必要がありました。

前日まで雨が降っていたりすると、校庭の白線が消えていたりすることもありますので、5時頃からきて、その準備を行っていました。

今となっては5時に集合する必要もなかったと思えますが、5時から業務を開始したとしても、時間的ゆとりはあまりなかったと感じます。
(忙しすぎて記憶がないだけですが・・・)

運動会

今回は運動会についてお話をしてみました。

春先実施も午前中実施も良いかと思いますが、最近の運動会は保護者に対する配慮の度が過ぎているようにも感じます。

徒競走やダンスの位置まで事細かに連絡する必要性に迫られることがあり、その業務だけで教員の負担を増やしています。

運動会は保護者や地域も参加するイベントの一つではありますが、「子どもが主役」ということを努々忘れてはならないと感じます。

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