今回は「行事」についての小学校教員と大学教員の違いについてお話ししようと思います。
行事への参加
小学校と大学の行事については、参加のスタンスが全く異なります。
まず、行事に対する準備についてですが、小学校では企画、準備、運営までを教員が全て行います。
夏に行われるPTAの行事などは例外となりますが、そのような例外を除くと、行事は全て教員主導で行われます。
一方、大学では入学式や卒業式は事務職員が主導となり、学園祭などの行事は学生、事務職員が主導します。
新歓行事などについては教員が主導することもありますが、企画は事務職員が行う場合があります。
全てにおいて、最終決定には教員が関わりますが、企画、準備、運営については、基本的に事務職員が行うことが大半です。
そのため、多くの行事には本当に「参加」するだけのことがほとんどです。
ちなみに、短大については、規模にもよりますが、小学校とほとんど同じと考えてもらって良いかと思います。
事務職員が準備、運営などを行ってくれる短大もあるかもしれませんが、少なくとも、私が勤務していた短大では教員が企画、準備、運営の全てを行っていました。
事務職員は入学式、卒業式のときのみ企画を行い、準備、運営は全教職員フル稼働でした。
事務職員へのありがたみ
私は元々小学校教員でしたので、短大での行事へのスタンスも違和感なく受け入れることができました。
ただ、大学では基本的に全て事務職員さんが準備等を行ってくれるため、本当に参加するだけということがほとんどです。
おそらく、学部から院へと進み、ストレートで大学教員になられたかたは、行事への参加スタンスに疑問をもつことなく、このようなものだと感じるのかもしれませんが、入学式や卒業式におけるグリーンシート、イス、紅白幕、看板の設置、各種貼り紙など、細かい準備が盛りだくさんです。
そして、準備をするということは片付けまであるということです。
小学校では、準備、片付けに児童の手を借りることがありますが、基本的に大学では職員だけとなります。
学友自治会などが手伝ってくれる場合もありますが、人数的に十分な数とは言えません。
ここまで読んでいただいた方にはもうお分かりかと思いますが、大学の行事における事務職員さんの作業は相当なものです。
仕事だからと言ってしまえばそれまでですが、学生はともかく、教員の分まで準備をしないといかないのですから、負担がかかるのは間違いありません。
大学では、このようなスタンスから、教員が事務職員を見下すことが度々あるのですが、むしろ頭が上がらないくらい大学運営に携わっています。
(ちなみに、短大では逆に事務職員が教員を見下していることがあり、各種手続き等で支障が出ることもありました。これはこれで問題です。)
私は運良く、小学校教員時代に行事の最初から最後まで関わることができたため、その裏側にある労働に気づくことができていますが、大学教員の中には当然の如く行事に参加している方もいます。
むしろ、参加してあげている、というスタンスの方もいます。
もちろん、上記のようなスタンスの方だけではなく、ストレートで大学教員になられた方の中にも、会場設営等の準備に目を向け、感謝の言葉を職員さんにかけられる方もいます。
自戒にはなりますが、学校における行事においては、誰かしらが携わってくれています。
自分が小学生のときには気づかなかった行事の裏側を、小学校教員になって知ることができ、同様に大学生の頃の行事の裏側を知ることができています。
行事に限らず、見えていない部分を想像する、感じる力を身につけ、その感謝を伝えられる人間を目指したいものです。
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