大学教員の肩書き

雑記

今回は大学教員の肩書きについてお話ししようと思います。

大学教員の肩書きには、基本的に助教、講師、准教授、教授という4種類があります。

厳密には助教の前に助手という肩書も入ったりしますが、基本的には助教から始まることが多いです。

また、これは日本における肩書きであり、海外では講師、助教授、准教授、教授といった順番、肩書であったり、上級講師という肩書が存在したりします。

昇級

上記で説明した肩書きは昇級に伴って変わっていきます。他の企業にも係長、課長、部長といった肩書きがあるかと思いますが、大学教員の肩書きは組織的に付与されるものではないため、何人でも昇給させることができます。
(組織的には部長が一人、係長が二人、など、ポストの人数が決まっているかと思いますが、そうではないという意味です。)

昇級は正直なところ、年功序列によるものが大きいです。

実際に、私立大学などでは、講師で5年、准教授で7年など、各職位で数年経過することが昇級の条件に組み込まれていることがあります。

ただ、大学教員は研究職でもあるため、研究業績が昇級に関わってきます。

そのため、圧倒的な業績を残しており、大学にも多大なる貢献をしている人は所定の年数を経過する前に昇級することもあります。

非常に珍しいのですが30代で教授という方も中にはいらっしゃいます。

一方で、業績をほとんど残しておらず、論文等の執筆もほとんど行っていない方もいます。
その方たちはどのようにして昇級していくのかというと、教育、学務分掌へと注力することにより、大学への貢献度を高め、昇級していきます。

教育における貢献というのは少し評価が難しいのですが、ゼミの学生が毎年資格取得をしている、地域との連携をして、新聞に取り上げられているなど、教育成果を上げている場合は評価につながっていきます。

また、学務分掌(学内における役割)において、学内運営を円滑に行い、大学の魅力を学外にアピールするなど、分掌を通じた貢献度が高い場合も評価につながっていきます。

このように、業績以外の部分で大学に貢献する方もいるため、昇任人事に伴う人物評価は総合的に行われます。

ただ、私立と国立では昇級スピードに違いがあり、私立のほうがスピードが速いことが多いです。

その理由として、国立では予算の関係上、年間に昇級人事を起こせる人数がだいたい決まっており、どれだけ優秀な方であっても、上のポストが空かない限り昇級できないというケースが見られます。

私立大学の場合は、その大学の財力にもよるのですが、大規模な大学ほど予算にも余裕があるため、昇級人事を起こしやすいという側面があります。

肩書きの効力

社会的には「教授」といった肩書を見ると、賢い、というイメージがあるのかもしれませんが、上記で説明したように、基本的には年功序列といった部分がありますので、必ずしも賢いわけではありません。

もちろん、素晴らしい業績を積み上げて肩書が変わっていく方もいらっしゃいますので、肩書にふさわしい方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、肩書が持つ効力はそれほど強くなく、影響力は限定的です。

肩書きが影響する場面としては、先ほど言ったような、社会的に少し持ち上げられる、といった場面や、学内において各役職につく場合などに限られます。

例えば、学部長や学科長、各委員会の長などにつく場合には、肩書きが必要となる場合があります。学部長や学科長には教授しかなれないといった規程がある大学も多く、その場合には肩書きが必要となります。そのため、役職につけるために、大学側が昇任人事を起こすこともあります。

しかし、さきほども申し上げた通り、その影響力は限定的であり、肩書きによって何か変わるということは余りありません。

多少給与の伸び幅が変わりますが、講師から准教授に昇任したからと言って、給与が劇的に変わることもありません。

時々、この昇任人事にこだわる大学教員もいますが、私は、その肩書きに見合った業績や実力があるかどうか不安になるタイプですので、いつまでもヒラでいたいと思っています。

教授だからこの専門分野に強いんだよね、偉いんだよね、お金たくさんもらってるんだよね、といったことを肩書きで思われるのが怖いです。

大学教員に限らず、肩書きはその人の成果の副産物であり、目標ではないと思っています。まずは、自分の仕事や研究に邁進し、その結果、昇任人事が起こる。そして、その肩書きに恥ずかしくないよう、さらに邁進する。

そういったスタンスをいつまでも忘れずにいたいものです。

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