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「運動遊び」とは!? 運動? 遊び?

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今回は「運動遊びとは」ということについてお話ししていきます。

子どもを対象とした運動は「運動遊び」とよばれることがありますが、そもそも「運動遊び」とはなんなのか、ということを理解されている方は少ないのではないのかと思います。「運動」なのか「遊び」なのか。「運動遊び」という言葉の意味を理解することで、保育や教育内容が具体的になることもありますので、「運動遊び」について理解を深めていただけたらと思います。


◎「運動遊び」とは

運動遊びとは、基本的に「幼児」から「低学年児童」までの運動について言及した言葉です。国の教育方針を定めている文部科学省は「幼児期運動指針」及び「小学校学習指導要領」の中で、運動遊びについて次のように示しています。

【幼児期運動指針】
1 幼児を取り巻く社会の現状と課題
 ~略~
「このような状況を踏まえると、主体的に体を動かす遊びを中心とした身体活動を、幼児の生活全体の中に確保していくことは大きな課題である。」

引用:文部科学省(2012)「幼児期運動指針」

【小学校学習指導要領解説:体育編】
第2章:第2節 各学年の目標及び内容(第1学年及び第2学年)
「各種の運動遊びとは,児童の発達の段階を踏まえ,ねらいとする動きを遊びの 要素を取り入れて行うものであり,児童が成功体験を得やすいように課題やルー ル,場や用具等が緩和された体つくりの運動遊び,器械・器具を使っての運動遊 び,走・跳の運動遊び,水遊び,ゲーム及び表現リズム遊びを指す。」

引用:文部科学省(2017)「小学校学習指導要領体育編」

これらの指針、要領から幼児期の運動遊びと児童期における運動遊びにも少し違いがあることがわかります。次は、その違いについてみていきましょう。


幼児期における運動遊び

幼児期の教育は基本的にどの活動も「遊び」が中心となるため、

主体的に体を動かす遊び=運動遊び

と捉えてよいでしょう。
ここでよく勘違いされやすいのが、「主体的に遊ばせるってことは、子どもが好きなように自由に遊ばせていたらよい」という「放任」の考えに至ることです。主体的に運動に取り組ませるためにも、必要な手立てというものがあります。

では、幼児期の運動遊びを推進するために、大人はどのようなことをすればよいのでしょうか。


①実態把握

子どもに運動遊びの楽しさを伝えるためには、子どもがどのような遊びに興味をもっているのか、実態を把握することが重要です。実態把握は運動遊びに限ったことではないかもしれませんが、子どもの興味・関心をつかむということは日常的に必要な情報となってきます。
興味をもっていることが把握できれば、意欲を維持したまま様々な遊びに関連付けやすくなります。


②環境設定

実態が把握できたら、子どもが主体的に運動に取り組めるよう、環境を整えてあげることが重要です。鬼ごっこや集団遊びをするためには、広く段差の少ないスペースが必要となりますし、ドッジボールやフープ遊びをするためには、そもそも道具が必要となります。集団遊びを行うならある程度の人数も必要となり、園生活の中で割り当てられる時間も考えなければなりません。
このように、子どもが遊びを選択して、自発的に運動を楽しむためにも、場所、時間、人数、道具など、運動遊びを楽しめる環境をまず整えてあげることが必要です。


③運動遊びに対する知識のインプット

子どもが運動遊びに興味をもつためには、大人がいろいろな運動遊びを知っておくとよりよいでしょう。子どもがボールに興味を示しているときに、大人がドッジボールしかボール遊びを知らなければ、子どもの興味・関心が薄れてきたときに、対策の立てようがありません。子どもの興味・関心に合わせて大人が遊びを紹介、提案することができれば、興味・関心を維持するだけでなく、その幅を広げることにもつながります。
もちろん、子どもが自発的に遊びを発展させることが望ましいですが、体の動かし方や道具の使い方が拙い子ども達には、いろいろな動きを経験させてあげられるよう、大人のアドバイスは重要となります。


児童期における運動遊び

児童期における教育おいては「指導」という側面が強くなります。そのため

遊びの要素を取り入れた運動=運動遊び


と捉えた方がよいでしょう。
小学校では「体育」という授業の中で実践することとなりますので、幼児期における運動遊びとは違い、「運動」が中心となります。ただし、目的とする運動に取り組む中で、成功体験を得やすいよう、難易度を易しくした運動と捉える必要があります。
大人が注意するべき点としては、基本的には幼稚園における運動遊びと同じですが、加えて意識しておきたいことを書いてみたいと思います。


①成功体験を得やすい内容にする

授業検討の中では当たり前のことかもしれませんが、注意してほしいのは「遊び」の要素を含むという点です。遊びは自分が「できる」から楽しいのであって、最初からできないことに挑み続ける修羅のような子どもはほとんどいないと思います。そのため、誰もが成功体験を得ることができ、満足感を得られる運動を取り入れることが必要です。
同じ運動の中で、距離、高さなどの難易度を変えることで、多くの子どもに対応できることが理想です。


②それぞれの運動遊びに目的をもつ

遊び要素を取り入れて、子どもが楽しいと思うことは非常に重要です。しかし、ただ楽しむだけの運動で終わってしまっては、小学校における運動遊びとはいえません。
運動遊びの内容を検討する時には、「どのような動きを経験させたいか」「どんな力を養いたいか」ということをベースとして遊びを考える必要があります。
「ボールを遠くに蹴る力を養いたい」と思っていても、運動遊びの内容が「友達に向かって正確に蹴る」という内容では、運動遊びを楽しめたとしても、目的とする力の育成にはつながっていきません。「ボールを遠くに蹴る力」を伸ばすのであれば、ボールを蹴って飛んだ距離を競ったり、積み上げた段ボールに向かって思い切り蹴って、それを崩したりする内容の方が、目的に合っているといえます。
運動遊びを楽ませながらも、潜在的な目的を大人は意識しておく必要があります。


まとめ

ここまで話した内容をまとめると

◎幼児期における運動遊び
  「主体的に体を動かす遊び」
留意点
 ①実態把握
 ②環境設定
 ③運動遊びに関する知識のインプット

◎児童期における運動遊び
留意点(幼児期の留意点も含む)
 ①成功体験を得やすい内容の検討
 ②運動遊びの目的の確認

以上のようになります。正直なところ、動きながら遊んでいたら、それは「運動遊び」です。ただし、「運動遊び」という言葉と、子どもの達発段階を理解をすることで、保育、教育に対する意識が変わることもありますので、意味の整理ということでこの記事を活用してくれたら幸いです。

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