今回は5歳児のフープ遊びについてお話しします。
5~6歳児になると、集団での遊びはもちろん、一般的な遊びとして楽しまれている腰でフープで回す遊びもできるようになってきます。リズムやテンポによって回ったり回らなかったりしますので、安定して回せるようにチャレンジしてみましょう。また、腰だけではなく腕や足などでも回してみましょう。そして、集団でもたくさんのゲームができるようになります。フープの特性を活かしながら、ゲームを楽しみましょう。
◎ねらい
①運動に関するねらい
・「跳ぶ」「走る」といった全身運動を素早く行うことで、敏捷性や跳躍力を高める。
・体操のような動きを取り入れ、柔軟性を養う。
②心情に関するねらい
・ゲームを通して、達成感や充実感を養う。
・友達と協力しながら積極的にゲームを楽しむことで、いろいろな運動遊びに興味をもつ。
◎具体的な遊び例
①フープ回し
手や腰、足などでリズムよくフープを回す遊びです。一般的にフープを使った遊びとして行われる代表的な遊びとなります。5歳児であればある程度回せる子も出てきますが、大半は上手に回せない子のほうが多いかと思います。長く回すことにこだわらず、3回や5回など、目標とする回数を決めて取り組んでみましょう。
②フープ跳び
フープを縄跳びのようにして回して跳ぶ遊びです。この遊びもフープ遊びの代表格となっている遊びです。フープは縄と違ってほとんど形が変わらないため、フープのほうが跳びやすいという子もいます。(縄は形が変わりやすいがゆえに、ある程度のスピードで回さないとコントロールが難しいです。)フープのサイズによっては跳びづらさも出てきますが、縄跳びの前段階として取り入れてもよいかと思います。
③投げ上げキャッチ
フープを投げ上げて、地面に落とさないようキャッチする遊びです。フープが大きすぎる場合、投げ上げることが難しくなってしまうため、最初は小さいフープから挑戦するとよいでしょう。天井が低い場合、照明などにあたってしまわないよう注意が必要です。
④フープくぐり
一人がフープを転がし、動いているフープの中をくぐる遊びです。難易度の高い遊びではありますが、くぐるときにフープにあたっても大丈夫です。とにかくフープの中に体が入ればオーケーです。子ども同士で行う場合はまっすぐにフープを転がせられなかったり、転がすスピードが速すぎたりすることがあるため、大人がゆっくりと転がしてあげたほうがよいかもしれません。
⑤フープリレー
手を繋ぎ一列になり、手を離さないようにフープを隣の人へと渡していく遊びです。列になっても、円になっても遊ぶことができます。隣の人に上手くフープを渡せるよう、お互いに協力することがポイントとなります。いくつかのグループを作って、競争してみると盛り上がる遊びです。
⑥フープダウン
数人で円になり、片手の人差し指の上にフープを乗せます。フープから指が離れないように、息を合わせながらフープを下げていく遊びです。この際、お互いに声を出すことは禁止となりますが、最初は声を出しながら遊んでもよいかと思います。やってみるとわかりますが、子どもの中には指をフープから離してはいけないという意識が強くはたらき、フープを下げるはずが上がっていってしまう子もいます。運動量はありませんが、アイスブレイクとして楽しめる遊びです。
◎環境設定
個人、集団のどちらの遊びにも対応できる空間の確保が第一となります。4歳以下の場合も広い空間が必要とされるため、5歳、6歳児でも同様の空間が求められます。また、フープだけでなく他の遊具も組み合わせて遊ぶ子どももでてくるため、他の遊具も活動場所の近くに準備できるとよいでしょう。
◎安全への配慮
フープを回せるようになると、大きいフープを使うことが増えますが、フープのサイズによっては距離感が十分につかめないことがあるため、周りの人と接触をしないように注意が必要です。また、フープと他の遊具を合わせて使う場合、特にボールと一緒に使う場合などは周囲への配慮が一段と必要となるため、周囲の状況確認は繰り返し行う必要があります。
◎保育者の援助
技能に差が出てくる時期ではありますが、同じ遊びを繰り返し行わせるのではなく、自分のしたい遊びを優先させてあげるようにしましょう。また、上手な子の技能を紹介し、どのような部分が上手なのかを紹介してあげることも、全体の技能向上につながります。集団遊びを行う際には、競争欲求を満たすことも必要となってくるため、時には競争の要素を取り入れたゲームを提案するとよいでしょう。
今回は5歳児のフープ遊びについてお話ししました。
5歳児のフープ遊びは個人はもちろん、集団での遊びも活発化します。そのため、フープを上手に操作しながら、チームの作戦や戦術などを考えられる環境を整えてあげましょう。
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