今回は4歳児のフープ遊びについてお話しします。
4歳になると、個人での遊びに加え、ペアや小集団での遊びが活発化してきます。
そのため、フープの操作をお互いに見られる環境を作ってみましょう。友達のフープ操作を見ることで、まねをしながら操作の向上が期待できます。また、色のついたフープであれば、色を識別する遊びを取り入れることで、遊びの幅を広げることができます。目印としての役割も含め、フープを活用し見ましょう。
◎ねらい
①運動に関するねらい
・巧みにフープを扱いながら、1人での遊びや友達との関わりの中で多様な動きを経験する。
・他者の指示で動く遊びを経験することで、敏捷性や瞬発力を養う。
②心情に関するねらい
・友達と関わる中で自己の存在感や他者への積極的な関心、共感や思いやりなどをもつようになる。
・小集団で遊ぶことで、きまりを意識したり、一体感を高めたりする。
◎具体的な遊び例
①ペアでの転がし合い
二人一組をつくり、お互いにフープを転がし合うというシンプルな遊びです。4歳未満でもできそうな遊びですが、フープを立てて転がすという動作は意外と難しいものです。また、まっすぐに転がすということはさらに難しくなります。大人でも順回転(前回転)でまっすぐ転がすのは難しい技術ですので、いろいろな転がし方に挑戦しながら遊んでみましょう。
②転がし競争
上記の転がし合いの発展遊びとなります。転がすことに慣れてきたら、横一列に並び、誰が一番遠くまで転がすことができるか競争をしてみましょう。どのような転がし方が遠くまで転がるのか、考えるきっかけにもつながります。競争を嫌う保育者の方もいらっしゃるかもしれませんが、大会と考えてもらえたら、互いの技術を伸ばすきっかけとなります。
③色鬼
様々な色のフープを用意し、指示されたフープの中に入る前に捕まえる鬼遊びです。フープ特有の遊びというわけではありませんが、フープを活用することで場所を選ばず色鬼を楽しむことができます。また、色鬼は多少ルールを理解する必要がありますので、4歳頃の子ども達に適切な遊びといえます。フープの中に入れる人数に制限があるため、フープの数によってはより高度な遊びになる場合もあります。
④ケンケンパ
フープを床に並べ、片足もしくは両足でジャンプをしながら移動する遊びです。人気の遊びですので、イメージがしやすいのではないかと思います。ジャンプができる年齢あれば遊ぶことができますが、片足でケンケン移動ができると、さらに楽しむことができます。最初は小さなフープのほうが歩幅が小さくなるため、やりやすいかもしれませんが、状況によって、いろいろな大きさのフープを用意しながら楽しい場を設定してあげましょう。
◎環境設定
4歳未満の子どもを対象とする場合と同様に、広い空間、いろいろな色、大きさのフープを準備することが望ましいです。特に4歳からは集団遊びが増えてくるため、色や大きさの違うフープがあると遊びの幅も広げることができます。一人一本のフープがあるのが理想ですが、二人に一本準備できるとよいかと思います。
◎安全への配慮
フープは消耗品であり、劣化する道具です。遊びの幅が広がる4歳児では、フープの扱いも多様になるため、破損する機会も多くなります。そのため、フープの点検は定期的に行い、ひび割れを含めた破損を確認しておく必要があります。また、扱いが上手になってくる時期でもありますので、2~3歳の配慮と同様に、フープに無理な力をかけたり、フープで人を引っ張ったりする行動がないよう注意しましょう。
◎保育者の援助
色や数への理解が進み、遊びのなかでも色や数で目標を決めることができるようになります。そのため、具体的な色や数で目標を決め、「赤まで頑張ろう」「3番目に入ろう」などといった声かけができるとよいでしょう。また、集団で遊ぶ機会が増えることで、ルールや順番を守る必要が出てきます。最初はルールや順番を守ることが難しいこともありますが、繰り返し遊びながら理解を促しましょう。技術的な面では、フープを転がす遊びができるようになりますが、転がし方はまだまだ不完全であるため、どこに転がっていくかわかりません。そのため、転がす方向を指示してあげて、少なくとも目標に向かって転がすよう導いてあげましょう。
今回は4歳児のフープ遊びについてお話ししました。
4歳児はフープの色や形といった特性を活かした遊びが展開できるようになります。他の道具とも組み合わせながら、フープでさらに遊びの幅を広げてみましょう。
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