表現遊びのねらい~指導案作成の手引き~

指導案

今回は表現遊びのねらいについて考えていきたいと思います。

これまでもいくつかの遊びでねらいを考えてきていますが、一般の方向けというよりは保育者の方向けの記事となります。保育者の方で指導案作成に困っている場合など、活用機会があればぜひご活用ください。年齢別の記事は以下をご参照ください。

尚、少し硬い表現を使っていますので、実際の保育などに使用される場合はやわらかい表現に変えてご利用いただけたら幸いです。

①視覚でとらえた多様な動きを自分の体で表現してみる。

このねらいは、1歳~2歳などの比較的低年齢の子ども達のねらいとなります。目で見たものを自分の身体で表現してみることで、体の多様な動かし方を学ぶことができます。また、動物はもちろん、植物や身近な物なども表現してみることで、想像の幅を広げることができます。

②まねをするために、観察する力を身につける。

このねらいも低年齢向けのねらいとなります。見たものを表現する(まねする)ためには、対象物をよく観察しなければなりません。どのような動き、形、姿なのかなどを細かく観察する力を身につけることで、本物に近いまねをすることができるようになり、表現の幅を広げることができます。

③音や曲に合わせて、リズミカルに自分の動かしたいように体を動かす。

表現遊びでは音楽を使うことが多々ありますが、音楽を利用したねらいとなります。音楽に合わせて体を動かすことで、リズム感を養ったり体を動かすタイミングなどを身につけることができます。曲調合わせて動き方を変えられるように、いろいろな音楽を準備しておくとよいでしょう。

④単純なリズムに合わせて動き、周りの友だちとの一体感を感じる。

このねらいは2歳~3歳頃の小集団で遊ぶことができるようになった段階のねらいとなります。音楽や手拍子、足拍子などに合わせて体を動かし、なおかつ周りの友達ともタイミングを合わせてみることで、一体感を感じることができます。ぴったり同じタイミングで動くことは難しいかと思いますが、同じ動作をみんなで行い、一緒に遊んだという経験ができれば、ねらいは達成したといえるでしょう。

⑤いろいろな動作を模倣することで、動きの速さを調整する力を身に付ける。

こちらは4歳以上の子どもを対象としたねらいとなります。表現遊びでは動きの力、時間、空間の要素を工夫することで多様な動きを生み出すことができますが、その中でも時間を調整してみるというねらいです。例えば、「ボールを投げる」という動きをまねしてみたとしましょう。最初は純粋にボールを投げる動作をまねし、そのあと、同じ動きをゆっくりやってみたり、速くやってみたりします。同じ動きでも、速さを変えることによって体の使い方や動かし方が変わるため、いろいろな動きの速さを変え、速さを調整する力を身につけてみましょう。

⑥身近なものを模倣することで、これまで関心のなかった生活行動にも関心をもつようになる。

洗濯や料理、手洗いなど、身近にありすぎて関心が向かない生活行動がたくさんあります。当たり前のように存在している生活行動を改めて見直し、表現してみることで、実際はどうだったか見つめ直すことができます。手洗いなどは毎日頻繁に行うが故に、深く意識せずに行っていることがほどんどだと思いますので、手洗いの仕方や手を洗っているときのばい菌の様子なども表現してみると面白いでしょう。

⑦自分の動きたいイメージを、時間、空間、力の要素を変えながら表現する。

このねらいは5歳以上の子どもが対象となります。どのような動きでも構わないので、一つの動きの時間(ゆっくり、速くなど)、空間(左右、上下など)、力(力を入れる、脱力するなど)を変えて表現を行ってみるというねらいです。⑤のねらいでは時間だけを調整するということでしたが、今回のねらいは全ての要素を変えて表現します。この3要素を変えながら表現することで、「ボールを投げる」というシンプルな動きも多様な動きへと変えることができます。ぜひ、上記の3要素を変えながらいろいろな動きに挑戦してみてください。

⑧擬音語を使いながら表現をすることで、動きを言葉として変換する能力を養う。

擬音語とは「オノマトペ」とも言われ、「ドン」「ガン」「シー」など、音を言葉として表現したものです。日常的に使われている表現ですので、あまり意識をしたことがないかもしれませんが、生活の中にはオノマトペがあふれています。このオノマトペを使うことで、より表現に色合いをもたせることができます。例えば、風に揺られて跳んでいく場面を表現する際は「ヒュー」や「フワフワ」といったオノマトペを使ったり、体や物が重いということを表現する際は「ズシン」や「ドン」といった言葉を使うと、表現がより伝わりやすくなります。

踊る子ども

今回は表現遊びのねらいについてお話ししました。表現遊びは道具がなくても楽しめるのが強みでもありますので、ねらいも幅広く設定することができます。紹介した中から指導案や保育に活用できることがあれば幸いです。

参考文献:「保育と幼児期の運動遊び」岩崎洋子 編著  吉田伊津美・朴 淳香・鈴木康弘 著 B5判 218頁(2018/02/15)、ISBN978-4-89347-274-8

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