1歳児の縄遊び!!~縄という道具に触れてみよう~

指導案

今回は1歳児の縄遊びについてお話しします。

1歳児は縄を含めた道具で遊ぶことにまだ慣れていませんので、まずは縄で遊ぶことに慣れ、縄に親しむということが重要となります。縄遊びは首や体に絡まることがあるため敬遠されがちですが、遊び方に注意さえすれば活動量を十分に確保する遊びとなります。そして、縄での遊びは縄跳びが真っ先に頭に浮かぶかと思いますが、使い方次第では幅広く遊ぶことができる道具です。ぜひ、縄遊びに挑戦してみましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・縄につかまりながら歩いたり、縄をまたいだりする遊びを通して、歩行機能を向上させる。
・縄を引いたり、緩めたりすることで、力の調整の仕方を知る。

②心情に関するねらい

・縄での遊びを介して、保育者とのコミュニケーションを深める。
・縄をまたいで歩くことなどをとおして、集中力を維持する経験を積む。

◎具体的な遊び例

①縄に沿った歩行

いろいろな形で置かれた縄に沿って歩く遊びです。縄というと縄跳びをイメージされる方が多いのかもしれませんが、縄の使い方はほかにもあり、縄を無造作に置くだけでも遊びの道具となりえます。全く同じ形になるということはあり得ないため、いろいろな形で縄を地面に置き、その形に沿って歩いてみましょう。歩行が安定していない1歳児だからこそ、歩行の練習にもなります。

②引っ張りっこ

保護者や保育者と縄を引っ張り合う遊びです。縄でなくとも、ハンカチやガーゼなどでも遊ぶことができます。自分で引っ張ったり、引っ張られたりすることが中心になりますので、大人は引っ張りやすいように力の加減をしてあげることが必要となります。思い切り力を入れる遊びというのはそれほど多くなく、ましてや引っ張るという動きが含まれる遊びはさらに貴重となりますので、何度も繰り返し引っ張って遊びましょう。

③投げっこ遊び

丸めた縄を自由に投げる遊びです。縄は自由自在に形を変えられますので、投げて遊ぶことも可能です。ぐちゃぐちゃにして投げた後、地面に無造作に置かれた縄に沿って歩くというのも良いかと思います。まだまだ投げることは難しいかもしれませんので、大人と一緒に投げる動作を練習してみましょう。

④縄くぐり、縄またぎ

縄の下をくぐったり、縄の上をまたいだりする遊びです。安全面を考え、縄の下をくぐるときは高めに、縄の上をまたぐときは低めに設定して遊びましょう。くぐったりまたいだりする動きを繰り返すことで、体の使い方や身のこなし方が上手になっていきます。保育などの機会がある場合は、ゴム紐をランダムに張り巡らせて、またいだりくぐったりして遊ぶ「くもの巣」という遊びもおすすめです。

◎環境設定

使用する縄は持ち手の部分を外し、縄だけで使用するほうがよいでしょう。1歳児は縄跳びのように縄を回して遊ぶということがあまりありませんので、純粋に「縄」だけを準備してあげましょう。縄が準備できないときは、ゴムひものような伸縮性のある素材を活用するのも良いかと思います。

◎安全への配慮

縄が絡まって転倒しないよう注意しましょう。1歳児は歩行の程度に個人差があり、まだまだ安定した歩行ができていない子が多くいます。そのため、転倒しないような配慮をするとともに、転倒したときのことも考えた場の設定ができると良いかと思います。また、首やお腹に巻きつけて、事故の原因とならないよう注意することも必要です。自分一人の力で締め付けられることはありませんが、どこかに引っかかってしまうと自分では縄をほどくことが難しい年齢です。目を離さないよう注意するとともに、できるだけ太い縄を準備できると良いでしょう。

◎保育者の援助

縄に沿って歩く遊びなどは、動物のまねをしながら歩いたり、身近なものの動きを取り入れたりすることで興味、関心を高めることができます。子どもが今何に興味をもっているのかを把握し、興味のある要素を取り入れながら遊ぶことができると、意欲的な活動が望めます。遊び方が多少違っていても構いませんので、縄遊びが楽しいと思えるような工夫をしてみると良いでしょう。

縄をつかむ子どもの手

今回は1歳児の縄遊びについてお話ししました。

1歳児は縄という道具に触れながら、自由に遊ぶだけでも十分です。ただ、危険という理由で縄遊びをさせないというのは縄に触れる機会を阻害してしまいますので、目の届く範囲で縄遊びを楽しんでもらえたらと思います。

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