縄遊びのねらい~指導案作成の手引き~

指導案

今回は縄遊びのねらいについて考えていきたいと思います。縄遊びは体や首に縄が絡まることがあるから危険と思われがちですが、道具を使う以上、どの道具にも危険性はあります。ただ、適切な保育環境で使用すれば何ら問題はありません。むしろ、縄遊びでしか経験できない遊びもありますので、積極的に遊びに活用することをお勧めします。

これまでもいくつかの遊びでねらいを考えてきていますが、一般の方向けというよりは保育者の方向けの記事となります。保育者の方で指導案作成に困っている場合など、活用機会があればぜひご活用ください。年齢別の記事は以下をご参照ください。

尚、少し硬い表現を使っていますので、実際の保育などに使用される場合はやわらかい表現に変えてご利用いただけたら幸いです。

①縄につかまりながら歩いたり、縄をまたいだりする遊びを通して、歩行機能を向上させる。

このねらいは1歳前後の歩き始めのねらいとなります。縄に触れながら様々な体の動かし方を知ることで、安定した歩行機能を獲得することができます。まずは縄という道具に慣れるため、たくさん縄に触れる機会を作ることが重要です。

②縄を引いたり、緩めたりすることで、力の調整の仕方を知る。

大人になると縄は跳ぶ道具と思ってしまいがちですが、綱引きのように引っ張って遊ぶこともできます。幼児は力いっぱい引っ張ることはできますが、力を緩めることのほうが難しい場合があります。縄を引いたり緩めたりする遊びを繰り返しながら、力の調整力を養いましょう。

③縄を越える、くぐるといった動作を習熟する。

縄を上から通過すれば「越える」、下から通過すれば「くぐる」といったように、一本の縄を通過するだけでも違った運動様式で遊ぶことができます。ゴムひもをランダムに張り巡らせて、その中を通過していく「くもの巣」という遊びがありますが、ゴムひもに当たらないよう体をいろいろな方向に動かすため、縄遊びの一つとしておすすめです。

④保育者や保護者と一緒に跳ぶ動作を経験する。

縄を跳んで遊び始めるのは2歳~3歳ごろになるかと思います。歩行が安定し、跳ぶという動作がある程度習熟してきたら、縄を跳んで遊んでみましょう。最初は地面に置いてある縄を跳ぶところから始め、慣れてきたら保護者や保育者が縄を揺らしてあげましょう。

⑤片足跳びなど、いろいろな跳び方に挑戦する。

縄を跳んで遊べるようになったら、跳び方を工夫してみましょう。縄を動かしても良いのですが、跳び方も変えることで遊びのバリエーションを増やすことができます。片足跳び、両足跳び、回転しながら跳ぶなど、いろいろな跳び方に挑戦してみましょう。

⑥縄の動きに合わせて自分の動き(跳ぶ動作)を調整する。

このねらいは4歳ごろのねらいとなります。これまでは止まっている縄やその場で揺れている縄を跳ぶことが多かったかもしれませんが、4歳ごろからは左右前後に揺れているをタイミングよく跳び越すことができるようになります。ひっかかってしまうこともあるかと思いますが、タイミングを計って跳ぶという練習を積み重ねましょう。

⑦数を意識させることで目標を明確にし、目標達成への意欲を高める。

縄遊びの良いところは目標が明確化しやすいという点です。跳んだ回数を数えることで、数の勉強にもなり、自分の達成目標も確認することができるため、積極的に数を数えながら遊ぶようにしましょう。

⑧縄を跳ぶタイミングを自分で図ることで、時間の認知的発達を促す。

少し硬い表現ですが、タイミングよく縄を跳ぶということは「予測」が必要となります。つまり、自分の足元に縄がくるまでの時間を計算し、縄が足元を通過する数秒前に跳ばなくてはなりません。そのため、縄跳びという動作を繰り返すことで、自然と時間の認知的発達を促すことができます。

⑨リズムに合わせて跳んだり、縄を回したりする。

5歳ごろになると短縄を使って縄跳びをすることができるようになりますが、最初は「縄を回す」「跳ぶ」という動作が分かれた状態になっていることがほとんどです。そのため、縄を片手にもって、ぐるぐる回し、足元にきたら跳んでみるという「エア縄跳び」で跳ぶタイミングを掴むことをおすすめします。

⑩練習を重ねると、目標が達成できるという経験をする。

これは⑦のねらいと重なる部分もありますが、縄跳びは数が意識しやすく、目標を立てやすい遊びです。練習を重ね、目標を達成する経験をすることで、さらに大きな目標に挑戦しようとする意欲がわいてきます。幼児期の成功体験は成長に欠かせない要素でもありますので、小さな目標を少しずつ達成できるようにしてみましょう。

縄跳びをする子ども

今回は縄遊びのねらいについて考えてみました。縄遊びは跳ぶという動作だけでなく、引っ張ったり、くぐったり、乗り越えたりと、様々な動作を楽しむことができます。そして、最終的には縄を回しながら跳ぶという複雑な動作も出てきます。簡単な遊びから難しい遊びまで幅広い遊びが存在しますので、保育で行う際に参考にしてもらえたら幸いです。

参考文献:「保育と幼児期の運動遊び」岩崎洋子 編著  吉田伊津美・朴 淳香・鈴木康弘 著 B5判 218頁(2018/02/15)、ISBN978-4-89347-274-8

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