今回は4歳児のマット遊びについてお話しします。
4歳児はマットの安全性を活かした活動的な遊びが増えてくる時期です。そのため、マットの上で押しあったり、引っ張ったり、マット自体を揺らしたりと、マットの使い方やマットの上での遊び方が変化してきます。自分の身体を動かすことが中心だった3歳までと違い、友達との関わりも増えてくることから、少人数やグループ遊びも取り入れて楽しみましょう。
◎ねらい
①運動に関するねらい
・マットを使って転がるだけでなく、いろいろな動き(バランスをとる、友達と押し合う等)を経験する。
②心情に関するねらい
・友達との関わりをもって遊ぶことで、人の意見を聞いたり、自分の考えを主張したりするなど、経験を深める。
◎具体的な遊び例
①跳び箱
マットを丸めて跳び箱のように跳び越して楽しむ遊びです。跳び箱がない場合でも、マットを利用して跳び箱をつくることができます。跳び箱を超えることが怖くて、助走の勢いのまま跳び箱にぶつかってしまう子も時々いるのですが、マット製の跳び箱であればぶつかったとしてもけがをする心配はありません。マットを利用して、跳び箱遊びにも取り組んでみましょう。
②島跳び
マットを島に見立て、島を跳び移って遊びます。マットから落ちてしまったら最初から、というようなルールを決め、アスレチックのように遊ぶと盛り上がります。マットの上にいられる人数には限りがありますので、詰まってしまいマットから落ちてしまわないようにするのもポイントです。マットがずれることがあるため、マットと床の間に滑り止めを挟むと良いでしょう。
③押し相撲
押し合うことを中心とした相撲遊びです。投げることは基本的に禁止とし、押し相撲として遊ぶとよいかと思います。転んだとしてもマットの上であるため、思い切り押して遊ぶことができます。「押す」という動作を扱う遊びは限られているため、環境が整ったらどんどん取り組んでみましょう。
④ゆらゆらマット
マットの上に子どもが乗り、そのマットを大人が揺らして楽しむ遊びです。足場が不安定となるため、バランス感覚を養うことにもつながります。あまりマットの上に乗る人数が多いと、揺らす大人が大変となってしまうため、適度に揺らせる人数を設定する必要があります。また、激しく揺らしすぎないように注意しましょう。
⑤転がり遊び
複数人でうつ伏せになり、横一列に寝ます。そして、端の子が他の子の上を転がりながら、反対側の端まで移動するという遊びです。マットを敷かなくても遊ぶことはできますが、自分の背中の上を他の子どもが転がっていきますので、マットの上にうつ伏せとなったほうがクッション性は確保できます。ふれあい遊びともなりますので、転がるだけというシンプルな遊びではありますが、集団で楽しむことのできる遊びです。
◎環境設定
マットは重すぎるものや長すぎるものを避け、子どもが協力して持ち運べる程度のものが望ましいでしょう。4歳にもなると、ある程度環境の準備もできるようになります。そのため、自分達で準備できるものや、移動できるものは子ども達に任せられる用具を準備できるとよいでしょう。
◎安全への配慮
慣れてくると動作が雑になり、ケガが起こりやすくなるため、悪ふざけなどが増えてきた場合は適宜注意をする必要があります。マットを敷いているとはいえ、転んだり、ぶつかったりした際にはけがをする可能性があります。遊びの方向性がぶれてきたときは適宜注意をしましょう。また、押し相撲などは転倒することを踏まえ、マットをつなげるなどして広いスペースを確保しましょう。
◎保育者の援助
マットの上でバランスをとる遊びなどは、子どもの立ち位置を考えながら、マットの揺らし方に注意すしましょう。人数が多すぎると揺らすことが大変になるうえ、子ども達の様子を把握しずらくなりますので、子ども達の立ち位置を確認できる範囲で人数を設定しましょう。また、マットがその上を転がるためだけの遊具として定着しないよう、使い方を工夫しましょう。3歳までは歩いたり、転がったりする遊びが中心となりますが、マットの使い方が固定化してしまうと遊びの幅も狭めてしまう可能性があります。丸めたり、点々と配置したり、立てかけたりと、いろいろな使い方を経験させてあげましょう。そして、マットの準備、片付けは自分たちで行えるよう、助言や援助もできるとなお良いかと思います。準備から片づけを含めて遊びとできるといいですね。
今回は4歳児のマット遊びについてお話ししました。
4歳になると友達との関わりも増え、競い合う遊びも楽しむことができるようになります。
マットの安全性を活かしながら、より活動できな遊びを楽しみましょう。
コメント