保育でも活用できるマット遊び16選!! 遊びをねらいとともに紹介!!

マット遊び

今回はマット遊びについてお話しします。

マットはただ地面に敷くだけの道具ではなく、個人や集団においていろいろな遊びで楽しむことができる道具です。もちろん、緩衝材としての機能も備えていますので、普段は危ないと思われるような回転系、倒立系の動きなどにも挑戦することができます。ぜひ、年齢別にマットを活用しながら遊びを楽しみましょう。

1歳児

1歳児は移動手段が安定していないため、子どもによっては歩いてる子、ハイハイしている子、ズリバイしている子と様々かと思います。しかし、マットの利点はどのような発達段階の子でも安全に遊ぶことができるという点です。むしろ、マット自体が緩衝材となるため、歩行の練習にもお勧めすることができます。マットは歩いたり、寝転んだり、転がったりと、全身を使った遊びが安全にできるため、低年齢児にもおすすめです。体の動かし方を遊びながら身につけましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・自由に転がって遊ぶ。

・マットの段差を昇ったり、降りたりする。

②心情に関するねらい

・保育者と一緒に転がったり、寝転んだりすることで、スキンシップを深める。

・直接的なふれあいを通して、保育者や他児との信頼を深める。

◎具体的な遊び例

①自由に転がる

自分で転がったり、大人が転がしてあげたりする遊びです。前転や後転はまだまだ難しいため、もしチャレンジするとしても、補助をつけるようにしましょう。子ども自身でできる転がり方としては、横にころころと転がるのが一番やりやすいかと思います。鉛筆のように手を伸ばして転がってみたり、だるまのように膝を抱えながら転がってみたりと、自由に転がって遊んでみましょう。転がりながら上下左右が入れ替わることで、三半規管を含むバランス感覚に刺激を与えることができます。

②昇り降り

マットでつくった段差を昇ったり、降りたりして遊んでみましょう。歩行が安定していないため、シンプルな昇り降りだとしても、子どもたちにとっては難しい課題である場合があります。ただ、マットの上では転んだとしてもケガをする可能性が非常に低いため、練習の場とすることができます。慣れてきたら、マットを重ねて段差を高くしたり、跳び箱の上にマットを敷き、小さな山を作ったりしてみましょう。よじ登って越えていく動作を含め、全身運動で楽しむことができます。昇り降りにも慣れてきた場合は、昇った後に跳び下りて遊んでみましょう。着地の動作は骨に適度な刺激を与えることができるため、体の発育に有効な遊びとなります。

◎環境設定

マットは汚れやほこりをきちんと取り除いてから使用しましょう。特に、長年使っているマットであれば汚れやほこりが付着しやすくなっているため、事前の確認は念入りにしましょう。また、気持ちよくマットで転がれるよう、可能であれば暖かく陽当たりの良い場所で実施しましょう。日の光を浴びながら運動ができるだけでなく、マットの日光消毒も兼ねることができるため、衛生環境も整えることができます。

◎安全への配慮

マットの段差で転倒することもあるため、マットの遊びに慣れない時期の昇り降りには注意をはらいましょう。マットを運ぶためのいわゆる「みみ」と呼ばれる手持ち部分がある場合は、足が引っかからないよう、マットの下に入れましょう。子どもが自由に動いている中でも、とくに首の関節に過度な負荷がかかることが予想される体勢には留意し、体勢を改めるような援助を行いましょう。前転や後転は無理にさせることなく、挑戦する意思がある場合のみ補助を行うようにしましょう。

◎保育者の援助

多様な動きの発達を刺激するため、マットの使い方を工夫しましょう。マットは敷くだけでなく、丸めたり、被せたり、立てたりと幅広い使い方ができるため、子ども達の実態に合わせていろいろな使い方を検討してみましょう。また、保育者が動きを指示するのではなく、子どもが動きたくなるような声かけや、場の工夫を心がけましょう。最初は自由な動きでマット遊びが楽しい、心地よいと感じることが大切です。そのため、指示することが優先となってしまわないよう意識してみましょう。

マットの上でハイハイする赤ちゃん

2歳、3歳児

2~3歳児は歩行も安定してくることから、マットでの遊びも移動手段が中心ではなく、前や後ろに転がったり、ジャンプして着地したりと様々な遊びができるようになってきます。そのため、自分の身体の動かし方をより意識した動きが可能となります。マットの使い方を工夫しながら、転がったり、揺れたり、走ったりと、全身を使った動きを経験してみましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・「よじのぼる」「すべりおりる」といった動きに挑戦し、全身を大きく動かすことを楽しむ。

・いろいろな形で回転する。

・バランスをとる遊びを通して調整力を育む。

②心情に関するねらい

・保育者や他児の動きを見ながら、自分も新しい動きに挑戦してみる。

・順番を守ったり、譲り合ったりする経験を通して、協調性を育む。

◎具体的な遊び例

①山登り

マットでつくった山を登ったり、滑り降りたりして遊んでみましょう。1歳児でもよじ登りは可能ですが、2~3歳児になるとさらにスムーズに昇り降りが可能となります。山の高さを調整したり、滑り降りるための傾斜を工夫してみたりしながら、アスレチックのような感覚を楽しみましょう。跳び箱や丸めたマットを下に敷き、その上にマットをかぶせると山をつくりやすいかと思います。

②卵遊び

膝を抱え、たまごをイメージしながら丸まった状態で、揺れたり、転がったりする遊びです。体育座りをイメージしてもらえると良いかと思います。できるだけ丸くなることを意識して、前後に揺れてみましょう。また他の人から揺らしてもらったり、転がしてもらったりして、前後、左右に丸まったままで転がってみましょう。

③ふち歩き

マットのふちをバランスをとりながらできるだけ早く移動する遊びです。落ちないようにしながら移動していくため、マットの外側には境界線が存在しますが、内側には基本的に境界線を設定しません。そのため、かなり内側を移動する子もいるのですが、あまり厳密にルールを決めることなく、可能な限り外側を歩くということが理解できていれば十分かと思います。一人何周とゴールを決めて、みんなで競争してみましょう。

④跳び下り

跳び箱などを利用して、無理のない高さから跳び下りる遊びです。ジャンプができるようになる2~3歳児では、骨や筋肉に適度な刺激が入る跳び下り遊びが発達、発育に有効な遊びとなります。そのため、最初は跳び下りるだけでもよいのですが、子ども達の実態に合わせて、いろいろなポーズをとりながら跳び降りたり、フープなどで着地点をつくったりなどの工夫をすると良いかと思います。正確に着地する、遠くに跳ぶといったように、目的を変えながら的を設定してあげると良いでしょう。

◎環境設定

マットの上で跳び跳ねたり、着地したりする場合は、床とマットの素材に注意し、滑らないよう注意をしましょう。特に着地をする遊びの場合、着地した瞬間にマットごと滑ってします可能性がありますので、マットの下に滑り止めなどを挟むようにしましょう。また、マットの保管場所は湿気の少ない場所を選び、定期的に日光に当てるよう留意するとよいでしょう。マットは基本的に洗うことができないため、日光消毒が基本となります。日頃から日光に当てることを意識できると良いでしょう。

◎安全への配慮

跳び箱や巧技台にマットを被せて遊ぶ場合は、子どもが側面から落ちないよう注意しましょう。前後の注意は行き届くのですが、側面から落ちることは予想外であることが多いです。そのため、側面にもマットを敷くなどして、落下しても安心な環境をつくってあげましょう。また、運動量が多くなるため、マットの持ち手など、マットの横から出ている部分は中に折りたたんでおくことも忘れないようにしましょう。

◎保育者の援助

危ないと思った時に、すぐに手が出せるような位置で子ども達を見守りましょう。この距離感は非常に難しいのですが、心配な場合は万が一のことも考え、遠くよりも近くで見守るようにしましょう。これは当たり前のこととなるかもしれませんが、子どもと一緒に遊ぶときは、自分の髪飾り、ヘアピン、ネックレス、イヤリング、指輪などで子ども達がケガをしないよう注意しましょう。基本的には装飾品はつけないことをお勧めします。新しい運動に挑戦できない子には、一緒に寄り添ったり、簡単な動きから導入するよう心がけましょう。最初の一歩を踏み出す時が一番勇気がいるかと思います。そのため、他の友達が遊んでいる姿を一緒に見たり、補助をしてあげたりしながら、楽しいという感覚を経験させてあげましょう。

体育座りでほほ笑む子ども

4歳児

4歳児はマットの安全性を活かした活動的な遊びが増えてくる時期です。そのため、マットの上で押しあったり、引っ張ったり、マット自体を揺らしたりと、マットの使い方やマットの上での遊び方が変化してきます。自分の身体を動かすことが中心だった3歳までと違い、友達との関わりも増えてくることから、少人数やグループ遊びも取り入れて楽しみましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・マットを使って転がるだけでなく、いろいろな動き(バランスをとる、友達と押し合う等)を経験する。

②心情に関するねらい

・友達との関わりをもって遊ぶことで、人の意見を聞いたり、自分の考えを主張したりするなど、経験を深める。

◎具体的な遊び例

①跳び箱

マットを丸めて跳び箱のように跳び越して楽しむ遊びです。跳び箱がない場合でも、マットを利用して跳び箱をつくることができます。跳び箱を超えることが怖くて、助走の勢いのまま跳び箱にぶつかってしまう子も時々いるのですが、マット製の跳び箱であればぶつかったとしてもけがをする心配はありません。マットを利用して、跳び箱遊びにも取り組んでみましょう。

②島跳び

マットを島に見立て、島を跳び移って遊びます。マットから落ちてしまったら最初から、というようなルールを決め、アスレチックのように遊ぶと盛り上がります。マットの上にいられる人数には限りがありますので、詰まってしまいマットから落ちてしまわないようにするのもポイントです。マットがずれることがあるため、マットと床の間に滑り止めを挟むと良いでしょう。

③押し相撲

押し合うことを中心とした相撲遊びです。投げることは基本的に禁止とし、押し相撲として遊ぶとよいかと思います。転んだとしてもマットの上であるため、思い切り押して遊ぶことができます。「押す」という動作を扱う遊びは限られているため、環境が整ったらどんどん取り組んでみましょう。

④ゆらゆらマット

マットの上に子どもが乗り、そのマットを大人が揺らして楽しむ遊びです。足場が不安定となるため、バランス感覚を養うことにもつながります。あまりマットの上に乗る人数が多いと、揺らす大人が大変となってしまうため、適度に揺らせる人数を設定する必要があります。また、激しく揺らしすぎないように注意しましょう。

⑤転がり遊び

複数人でうつ伏せになり、横一列に寝ます。そして、端の子が他の子の上を転がりながら、反対側の端まで移動するという遊びです。マットを敷かなくても遊ぶことはできますが、自分の背中の上を他の子どもが転がっていきますので、マットの上にうつ伏せとなったほうがクッション性は確保できます。ふれあい遊びともなりますので、転がるだけというシンプルな遊びではありますが、集団で楽しむことのできる遊びです。

◎環境設定

マットは重すぎるものや長すぎるものを避け、子どもが協力して持ち運べる程度のものが望ましいでしょう。4歳にもなると、ある程度環境の準備もできるようになります。そのため、自分達で準備できるものや、移動できるものは子ども達に任せられる用具を準備できるとよいでしょう。

◎安全への配慮

慣れてくると動作が雑になり、ケガが起こりやすくなるため、悪ふざけなどが増えてきた場合は適宜注意をする必要があります。マットを敷いているとはいえ、転んだり、ぶつかったりした際にはけがをする可能性があります。遊びの方向性がぶれてきたときは適宜注意をしましょう。また、押し相撲などは転倒することを踏まえ、マットをつなげるなどして広いスペースを確保しましょう。

◎保育者の援助

マットの上でバランスをとる遊びなどは、子どもの立ち位置を考えながら、マットの揺らし方に注意すしましょう。人数が多すぎると揺らすことが大変になるうえ、子ども達の様子を把握しずらくなりますので、子ども達の立ち位置を確認できる範囲で人数を設定しましょう。また、マットがその上を転がるためだけの遊具として定着しないよう、使い方を工夫しましょう。3歳までは歩いたり、転がったりする遊びが中心となりますが、マットの使い方が固定化してしまうと遊びの幅も狭めてしまう可能性があります。丸めたり、点々と配置したり、立てかけたりと、いろいろな使い方を経験させてあげましょう。そして、マットの準備、片付けは自分たちで行えるよう、助言や援助もできるとなお良いかと思います。準備から片づけを含めて遊びとできるといいですね。

三点倒立する子ども

5歳、6歳児

5歳~6歳児はよりダイナミックな動きに挑戦できる時期となります。体全体を大きく動かしながら、力強い動きや躍動感のある動きを取り入れて遊んでみましょう。前転や後転といったいわゆる「体操」と呼ばれる動きも増えてきますが、マット遊びの楽しさを感じるためには、あくまで「遊び」として様々な動きに挑戦してみましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・マットを押したり、引っ張ったりしながら全身運動を行うとともに、全力で遊ぶ経験を深める。

・回転運動や逆さ感覚など、普段は経験しないような運動、感覚を積極的に経験する。

②心情に関するねらい

・友達とゲームの作戦を立てたり、役割分担を相談したりすることを通して、「人と関わる力」を養う。

◎具体的な遊び例

①おいもほり

一人はマットの端につかまり、もう一人はおいもを引き抜くように、つかまっている子を引っ張る遊びです。似た遊びに「大根抜き」という遊びがありますが、マットから手が離れないように耐える遊びとなります。大根抜きのように腕と腕を組むわけではないため、マットから引きはがされやすいのですが、引き抜く力に自信のない子でも引き抜きやすい遊びですので、みんなで楽しむことができます。思い切り力を発揮する遊びは意外と少ないため、活用してみましょう。

②キャタピラー

まず、頭の位置を揃えて横一列に寝ましょう。そして、横一列に並んでいるみんなの上に垂直になるように一人寝ます。下の人たちは同じ方向に転がりながら、上の人を運んでいく遊びです。その名の通り、「キャタピラー」のように転がり、上に載っている人を運んでいきます。上に乗っている人はできるだけ自分の力では動かないようにして、下のみんなに身を任せましょう。下のみんなは大変ですが、協力しながら決められた距離を運んであげましょう。

③マット取り合戦

マットの端をつかみ、自分達の陣地に引っ張っていく遊びです。棒取り合戦のマットバージョンのような感じです。上記で紹介した「おいもほり」と同じように、マットを引っ張る遊びとなりますので、思い切り力を発揮できる遊びの一つです。慣れてくると、どのマットから陣地に運ぶかという戦略も立てられるようになりますので、チームで協力する楽しさも感じることができます。

ケンケン押し相撲

片足でケンケンをしながら押し相撲を行う遊びです。4歳児でも「押し相撲」を紹介しましたが、5歳児ではケンケンをしながら押し相撲をしてみましょう。バランスをとることが難しいため、必ずしも力の強い子が勝つとは限りません。自分のバランスを保ちつつ、相手を押し出すという複合的な遊びとなりますので、活動量も十分に確保できる遊びです。

⑤川跳び

マットを川に見立てて跳び超える遊びです。純粋にジャンプして跳び越えても良いのですが、可能であれば「側転(側方倒立回転)」を意識した跳び方にチャレンジしてみましょう。両手をマットに着きつつ、足がマットに触れないように跳び越します(手は川の中に入ってしまっていることとなりますが、そこは見なかったことに…)。体を支持する感覚が身につきますので、側転や逆立ちの技能へとつながっていきます。

マットで川跳びをする子ども達
引用:文部科学省

◎環境設定

色の違うマットが準備できると、組み分けや陣地分けに利用することができるため、可能であれば色の違うマットを準備しましょう。また、近年のマットは比較的軽いマットが多くなってきていますが、子ども達で運べるマットであれば、自分たちで準備から片付けまでやってみましょう。

◎安全への配慮

ケンケン相撲やマット引き合戦などのダイナミックな遊びを行う場合は、事前にまわりに危険なものがないか確認しておきましょう。その際、マットが動く可能性があるため、マットと床の間には滑り止めを敷くと良いでしょう。また、接触がある遊びの前には子ども達の爪が伸びていないかを確認し、相撲などでケガがないよう注意しましょう。

◎保育者の援助

ゲームでは、どのようにすれば勝てるのかなどを、チームで考える機会を与えるようにするとよいでしょう。5歳~6歳児は戦略を考えることも楽しみの一つとなりますので、作戦タイムとしてみんなで考える時間を確保してあげましょう。そして、ゲームの勝ち負けを強調しすぎることなく、ゲームの中での発見や工夫などを褒めるよう心がけましょう。勝ち負けがつくことは仕方がないのですが、負けてしまったチームが卑下することのないよう、良かった点をたくさん見つけてあげましょう。環境設定でも記述しましたが、マットの準備等、自分たちでできることには干渉しすぎないように気をつけましょう。

マットでストレッチをする子ども達

今回はマット遊びについてお話ししました。

マットは普段はできない回転や倒立といった動きにもチャレンジできるようになるため、非日常感を味わうことの出来る遊びです。いつもとは違う動きに楽しさを感じられるように、遊び方を工夫してみましょう。

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