1歳児の鬼遊び!!~移動に慣れてきたら追いかけっこをしてみよう!!~

指導案

鬼遊びはどこでも誰でも楽しむことのできる遊びであり、運動の強度に関しては「高強度」に分類されるなど、運動量の確保に関しても申し分ない遊びです。体の動かし方も学ぶことができ、個人的には最強の運動遊びだと思っています。種類も豊富ですので、発達に合わせていろいろな鬼遊びを楽しみましょう。

鬼遊びのメリット

①運動量が豊富

鬼ごっこは相手を追いかけて捕まえる遊びです。相手よりも速いスピードで追いかけなければ捕まえられないため、おのずと全力で走ることとなります。しかも、場合によってはストップ&ダッシュを繰り返すため、体への負荷は相当強いものとなります。

もちろん、鬼になったり、鬼から追いかける機会が少なければ運動量も少なくなりますので、人数が少なければ少ないほど、運動量は豊富になるといえるでしょう。

②「身のこなし」が自然と身につく

「身のこなし」というとわかりづらいかもしれませんが、自分の体の動かし方と捉えてもらえたらよいでしょう。巧緻性と言ったりもします。ようは自分の体が思い通りに動かせるかどうか、ということです。

鬼ごっこでは、相手がまっすぐに走ってくれるわけではありませんので、速度の強弱、方向転換など、いろいろな走り方で追いかけることとなります。そうすると、自然と身のこなしが上手になり、急な方向転換や急停止、急発進にも対応できるようになります。

③道具が必要ない

鬼ごっこはスペースさえあれば、身一つでどこでも遊ぶことのできる遊びです。道具を作ったり、使ったりする必要がないため、誰でもすぐに遊ぶことができます。

④状況判断力が身につく

鬼が今どこにいて、誰を狙っていて、自分との距離はどのくらいで、などといった様々な状況、空間を把握しながら遊びが進んでいくため、無意識ながらも「今どのような動きが最適か」といった状況判断をする力が身につきます。

追いかけっこをする子ども達

まだまだ鬼ごっこが最強の運動遊びである要素はたくさんあると思いますが、大きく分けるとこの4つに集約されるのではないかと思います。何より、子ども達は時間と体力と空間さえあれば、追いかけっこが自然とはじまり、いつのまにか鬼ごっこが始まっていることが多々あります。それほど自然に、楽しく遊べる運動遊びは鬼ごっこをおいてほかにないと思われます。

※幼児期は運動能力が未分化

幼児期は運動能力が未分化であることから、とにかく体を動かすことが重要となります。どういうことかというと、年齢が上がるにつれて、運動能力は握力、跳躍力、敏捷性など、それぞれの運動に必要な能力が独自で高まっていきます。そのため、握力を高めたいのであれば、握力を高める運動をして、跳躍力を高めたいのであれば、跳躍力に関係のある筋肉を強化するといったことが必要となります。しかし、幼児期はそのように運動能力が分かれていないため、握力が高い子は足も速く、高く跳べるというように、総合的に運動能力が高まります。そのため、どの能力を高めるということではなく、とにかく体を動かして、様々な部位に刺激を与えることが重要となるのです。このことを考えると、鬼ごっこは抜群の運動量が確保できますので、非常に有効な遊びと言えます。

1歳児

1歳児はハイハイやズリバイから二足歩行での移動に移行していく時期です。そのため、歩行がまだ安定しない子どももたくさんいます。そのため、先に言ってしまいますが、遊びのバリエーションとしては「歩く」「探す」といったものしかありません。遊びのバリエーションはまだまだ少ないですが、誰かを追いかけながら遊ぶことで、1人で移動するときよりも運動量が確保しやすくなりますので、できる範囲で一緒に追いかけっこや探検をしてみましょう。

ねらい

①運動に関するねらい

・歩行の完成を目指し、いろいろな歩き方を楽しみながら行う。

・逃げたり、追ったりしながら、スピードの調整や姿勢の変化などを経験する。

②心情に関するねらい

・保育者と一緒に遊ぶことで、安心感を高めることができる。

・全力で動いたり、誰かと運動することで情緒の安定を図ることができる。

◎具体的な遊び例

①歩く

保護者や保育者のところに向かったり、追いかけたりして遊んでみましょう。歩き始めは不安定で心配かもしれませんが、徐々に移動する距離を伸ばして、歩くことに慣れていきましょう。誰かのもとに向かったり、目印に向かっていくように導いてあげたりすることで、歩く意欲が高まり、楽しんで歩行することができます。歩行が安定してきたら、逆に子どもを追いかけるようにして遊ぶことで、より活動量が確保しやすくなります。周囲に注意しながら、歩く楽しさを感じましょう。

②探検

保護者や保育者、友達を探し、見つけてみましょう。保護者や保育者はかくれんぼの要領で隠れ、ヒントを出しながら子どもが探索できる環境をつくってあげましょう。いろいろな場所を探すということは、自然と歩行をすることにつながっていきますので、探す場所や距離を考えながら隠れてみましょう。自分が隠れるだけでなく、おもちゃを隠してみて、そのおもちゃを探してみるのもよいでしょう。探索活動は周囲の状況を把握したり、確認したりするために重要な行動となりますので、積極的に遊んでみましょう。

◎環境設定

動きが安定しないため、広い場所で遊びましょう。特に道具を使わないため、場所さえ確保できればよいのですが、探検を行う場合はある程度モノや物陰が必要となる場合もありますので、その場合は突起物などがないか確認をしておきましょう。

◎安全への配慮

環境設定と重なりますが、歩行が不安定で転びやすいため、周囲の環境に注意しましょう。可能であればクッション性のマットなどが敷いてあると良いのですが、あまりにも柔らかすぎると逆に歩行がしづらくなってしまうため、固めのマットを敷いてあげると良いでしょう。歩き始めの子は上手く手を着くこともできないため、注視しておくようにしましょう。

◎保育者の援助

子どもの様子を見ながらスピードを調整し、興味をもたせながら全力で動けるよう促しましょう。歩行のスピードは子どもによって様々ですので、それぞれの子にあったスピードで追いかけたり、追いかけられたりして遊びましょう。その際、音や言葉がけで興味をもたせるとなお良いかと思います。何気ない言葉がけなどを子どもはよく聞いているため、日頃からいろいろな言葉をかけながら遊べると知的発達も促すことができます。

鬼ごっこをする兄弟

今回は鬼遊びのメリットと1歳の遊びについてお話ししました。

鬼遊びは多くのメリットがあり、すべての遊びのなかでも発達に対して万能ともいえる遊びです。

1歳児はまだまだ本格的には遊ぶことが難しいのですが、大人との追いかけっこを中心に、歩いたり走ったりする運動を繰り返してみましょう。

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