今回は小学校教員から短大教員になることについてお話ししたいと思います。
私は小学校教員から短大教員へとなり、その後、大学教員となっています。
経緯についてご存知ない方は、過去の記事をご覧ください。
これまでに記事にも同じようなことを書いてしまっているかもしれませんが、短大教員を経由して大学教員になるメリットについてお話しします。
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短大教員になるメリット
個人的には、小学校教員から大学の専任教員を目指す場合、短大を経由することはおすすめです。
その理由について以下、説明していきます。
①4年制大学より採用されやすい
ここが最も大きなメリットだと私は感じています。
短大にお勤めの先生方には大変申し訳ありませんが、失礼を承知でお話しすると、短大は4年制大学に比べると研究環境が劣ります。(比較する大学にもよりますが…)
というのも、短大というのは2年で学位や資格、免許を取得するため、限られた学部、学科しか置くことができません。
(短期大学部として、4年制大学の一部として組み込まれている場合は別です。)
そのため、基本的には小規模での経営となります。
小規模ということは、予算もそれだけ限られているということであり、十分な研究環境を整えることが難しくなります。
現実的なことを言うと、研究費や給与面においても、規模の大きい4年制大学と比べると、どうしても見劣りしてしまいます。
仕方のないことではあるのですが、教員の採用に関しても、業績が優秀な人は基本的に研究環境の良い大学に集まります。
そのため、短大はどうしても応募される順番が後回しにされます。
つまり、人が集まりにくい環境が作られてしまうのです。
しかし、逆を言えば、それが故に4年制大学よりも低い倍率で戦うことができ、採用される可能性が高くなります。
これは私個人の考えですので、上記の理由については確実なことは言えませんが、事実、短大教員には修士号を持っていなくともなることができ、現場経験さえあれば、論文などの業績がほとんどなくともなることができます。
もちろん、文科省に届け出る教員審査を通過する必要がありますので、現場経験も業績もない人は難しいですが、限りなく少ない実績で大学教員となることができています。
②何はともあれ大学教員
続いてのメリットは、経緯や業績はどうであれ、大学教員であることに間違いはないということです。
つまり、短大であれ、4年制大であれ、大学教員としては何ら変わらない生活を送ることができるということです。
どういうことかというと、コマ別に授業を行ったり、研究を行ったり、研究費が支給されたり、人によっては学会に参加したりと、小学校教員とは違う、大学組織に属する教員として生活をすることができるということです。
当たり前のことを言っていますが、小学校教員と大学教員の仕事内容、時間の割き方などはかなり違います。
そのため、短大とはいえ、4年制大と変わらない大学教員としての生活を送ることができます。
短大教員になるデメリット
①忙しい
2年間という短期間で学位を授与しますので、基本的には学生の単位取得のためのカリキュラムはパンパンです。
毎日授業が詰まっており、本当に忙しいと思います。
同時に教員も忙しいです。
授業準備はもちろん、教員養成系や保育者養成系の短大であれば実習巡回、養成系の短大でなくとも、インターンシップの巡回などを行う短大であれば巡回指導を行う場合もあります。
その他、学校行事や資格試験対策など、2年間で行うことは多々ありますので、基本的に教員も非常に忙しくなります。
ただ、小学校教員と比べると、1日中学生と一緒に生活するわけではなく、空きコマという自分の時間も確保できますので、時間のゆとりを感じることはできるかと思います。
②実務家教員の力が強い
メリットの部分と関係しますが、短大は実務家教員が比較的多く採用されます。そのため、実務家教員の比率も高くなり、発言力も高まることが多いと個人的には感じます。
実務家教員については過去の記事をご覧ください。
小学校教員から短大教員なる場合、少なくとも実務経験を経ていますので、それほど違和感がないかもしれませんが、研究する意義をわかってもらえなかったり、そもそも業績を積む気がなかったりする教員がいることもありますので、短大から大学への異動を考えている方は、注意が必要です。
短大教員から4年制大学教員へ
メリットとデメリットを二つずつ挙げてみましたが、私自身が短大教員を経て大学教員になっていることもありますので、一度、短大教員を経由して4年制大学教員を目指すことは悪くないと感じます。
ただ、そのためには時間がかかってしまいますので、長期的な計画が必要でしょう。
異動する大学はやはり大規模な大学が良いかと思いますので、それであれば、短大で数年働き、業績を積んでから異動、というのが理想です。
または、短大から大学に異動した後、さらにワンステップ上を目指すというのも良いかと思います。
非常勤講師を掛け持ちして大学の専任教員を目指す方もいますが、やはり、専任と非常勤とでは働き方が違います。
そのため、個人的には小規模だとしても、「大学教員」として専任で働き、ゆくゆくは働くであろう専任教員としての働き方を体感しておくべきだと思います。
大学教員となる方法は様々ですので、今回の記事の方法がベストということではありません。
実際、時間と体力が必要となる方法ですので、若手の方向けの方法と言えるかもしれません。
一つの参考としていただけたら幸いです。
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