今回は大学教員公募における法人チェックの重要性についてお話しします。
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大学を見て法人を見ず
小見出しを見てお気づきになられたかと思いますが、小見出しの言葉は「木を見て森を見ず」という故事成語に倣った言葉です。
故事成語本来の意味としては「小さいことに心を奪われて、全体を見通さないことのたとえ(引用:goo辞書)」ということですが、その意味に倣って、大学だけを見て、その運営母体である法人まで確認しないのは危険だということをお伝えしたいと思います。
過去にも公募情報の分析をする必要性は記事にしてきましたが、将来性を考えた場合、少しでも安定した運営がなされている大学に行きたいと思うのは自然なことです。
大学の規模を知るために、学生数、財務情報、入学者の定員充足率などをチェックするのも公募戦士には欠かせません。
ただ、大学単体では測りきれない要素があります。
それが、法人の規模です。
法人の規模で将来性を測る
時々、大学単体で見ると、定員充足率が低く、財務状況も赤字が続いている大学を見かけます。
といいますか、2024年現在、日本には約800の大学が存在し、その約半数は定員割れを起こしていると言われています(具体的なリソースは忘れてしまいましたが、気になる方は調べてみてください)。
少子化の影響で18歳人口が降下を辿るのと同時に、大学の経営も難しくなってきているのが現状です。(裏を返せば、現時点で定員割れを起こしていない大学は将来性があると考えることができ、基本的には安心して応募してよい大学といえます。)
ただ、定員割れを起こしているから将来性がなく、給与も低いと考えるのは尚早です。
大学が定員割れを起こしていたとしても、その経営母体である法人が黒字であれば、基本的には安定していると判断できます。
もちろん、課題はありますので、着任した途端に入試業務が大量に降ってくる可能性はありますが、数年で職をなくすということはまず間違いなくないでしょう。
法人の規模が大きければ、大学以外にも高校や中学校、小学校や福祉施設など、大学だけに頼らない運営をしているところがほとんどです。
日本で一番財力のある日本大学に至っては、数えるのも億劫になるほどの学校(提携校を含む)を抱えています。
日本大学 – Wikipediaja.wikipedia.org
このように、大学単体の状況ではとらえきれない運営状況があるため、財務状況などを確認する場合には、大学の財務だけでなく、法人全体の財務状況についてもチェックする必要があります。
大学が黒字であれば、法人内の他の学校などが赤字だとしても、基本的には問題ないと考えますが、大学が赤字の場合は法人まで見て、判断しても良いかと思います。
今回は短いですが、法人の運営状況の確認についてお話ししました。
運営状況が悪い大学に応募するのは地獄行きですが、あえて地獄に飛び込み、そこで修業した後に、現世に舞い戻ってくるというのも一つの手段です。
実際、私は毎年定員割れを起こし、赤字しか見たことのない短大で修業し、現在は何とか、定員割れを起こしていない大学に移ることができました。
自慢をしたいのではなく、他の記事でも話していますが、「その世界に入る」ということが最も重要であり、どれほど地獄であったとしても、その世界で生きていくためには必要な時間だと思っています。
つまり、大学教員になりたいのであれば、どんなに小さな短大、高専だとしても、着任することに大きな意味があり、着任してしまえば「大学」という世界での生き方がわかってきます。
そのため、まずはどこでもいいから大学教員になるという方法も間違いではないと思っています。
(5年以内に潰れそうな大学だけは避けましょう。)
応募の選択肢を増やすためにも、法人のチェックまでしてみてはいかがでしょう。
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