今回は2種類の大学教員について話をしたいと思います。
実務家教員
まず登場するのが「実務家教員」です。
実務家教員へのなり方は過去の記事でも話をしていますので、良かったらご覧ください。
実務家教員とは、現場での経験を経てから大学教員になられた方で、学校現場の場合、一般的には10年の実務経験が求められます。
そのため、実務家教員になられる方は、最速で30代前半となりますが、多くの場合は現場で勤め上げた後に大学教員になられるため、60歳前後でなられる方が多い印象です。
理論家教員
あまり「理論家」という表現はしないのですが、実務家に対する言葉がなかったため、とりあえず理論家教員としました。
ここでいう理論家教員とは、大学院博士後期課程を経て、そのままストレートで大学教員になられる方々です。
ストレートで専任教員となれなくとも、非常勤教員として教歴を積み、いずれは専任教員として採用されるパターンが多いです。
実務家教員とは対照的に、大学院修了後、すぐに大学教員として着任することとなるため、30歳手前から大学教員として働いていることが多い印象です。
相反する2つの人種
実務家教員と理論家教員の2つの人種を簡単に紹介しましたが、この2つの人種の間ではたびたび争いが起こります。
特に争いの火種を作ってしまいがちなのが実務家教員なのですが、実務家教員は基本的に遅れて大学教員となるため、現場にどっぷりつかってから大学教員となる方がほとんどです。
そのため、現場と大学の違いに順応できず、「現場はこうだ」といった現場との比較をしてしまいがちです。
また、現場を知らない教員に対して強気に出る方もおり、そのような場合は言うまでもなく争いへと発展しがちです。
理論家教員は基本的に大学という場所で過ごす時間が長いため、大学教員としての生活に違和感を感じることがありません、そのため、実務家教員と比べると争いの火種を起こすことは少ない印象です。
ただ、大学教員の仕事を間近で見てきたこともあり、「肩書」などにはこだわる人が多い印象です。
若くして教授となるべく、研究を積み重ねる必要があるのですが、その分、日々の授業はそっちのけで研究に没頭していまうこともあります。大学は研究期間ですので、悪くはないかもしれませんが、教育も担っている期間ですので、授業の手を抜くことは許されません。
重要視するものが違う
実務家教員と理論家教員の間には、根本的に重視することが異なっていると感じます。
実務家教員は「教育」重視であり、理論家教員は「研究」重視であるという印象です。
この時点で、両者が相容れることは難しく、どちらも尊重しながらお互いを受け入れられるのが最も良いのですが、年を重ねていればいるほど、それが難しくなります。
そのため、それぞれがそれぞれの物差しで測ってしまいます。
大学においては教育も研究もどちらも重要であることから、どちらにも尽力するというのが大学教員なのですが、バランスよく仕事を進めているという人はほぼいないでしょう。
少なからず、どちらかに偏っているかと思います。
幸い、私の所属する学科においては、どちらの人種の先生方も非常にお互いを尊敬してくれるため、我が大学では珍しいほどに争いがありません。
ただ、学科を超えてくると何かしらの争いが起こります。
今回は大学に存在する2つの人種についてお話してみました。
2つだけではないかもしれませんが、大学には様々な人種が住んでいます。ある意味では「混沌(カオス)」な世界であるといえるでしょう。
ぜひ、このカオスに共感してくれる方が現れるのをお待ちしております。
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