小学校教員と大学教員の違い~アウトプットの方法が違うだけ~

雑記

今回は小学校教員と大学教員の何が違うのかということについて考えてみたいと思います。

教員はみな研究者

基本的に教職についている方はみな、研究者だと私は思っています。

日々授業について研究し、試行錯誤を重ねながら再度授業に臨む。

そして、それは長い人であれば40年近く続くこととなり、その間、授業について考え続けることとなるわけです。

もちろん、教務主任や教頭、校長などの要職に就き、日々の授業から離れる人もいますが、それでも「教育」について考える環境は変わりませんので、否が応でも教育について考えることとなるわけです。

これは研究者以外の何物でもないと私は思います。

このような話を大学教員にすると、高飛車な教員からは「小学校教員と一緒にするな」などと見下されるような発言を聞くこともあるのですが、それは現場を知らない愚かな発言だと、発言者を愚者認定しています。

むしろ、教育分野の大学教員は現場に入らないと得られない知見がありますので、それを毎日目の当たりにできるという環境は、これ以上ない研究環境と言えます。

「研究者」という肩書を持っていなくとも、研究を行っている人は世の中に大勢いるのです。

アウトプットの方法が違う

では、小学校教員と大学教員の何が違うのでしょうか。

どちらも研究者であれば、小学生と大学生という対象は変われど、何も変わらないはずです。

一番大きな違いとしては、アウトプットの方法が違うと個人的には考えています。

小学校教員は授業研究を行い、それを子ども達に向けてアウトプットします。

大学教員も授業研究を行い、それを大学生に向けてアウトプットします。

この点では変わりません。

ただ、大学教員においては、学会で発表したり、論文として記録を残したりする場があります。

小学校教員においても、公開研究会などを行っている学校や、研究会に参加している方の場合は、自分の授業や考えを外部に向けてアウトプットすることもあるかと思います。

ただ、圧倒的に大学教員のほうが「社会」に向けたアウトプットをする機会が多いのです。

研究者という肩書も持っている大学教員ですので、社会に自分の研究を還元するのが当然であり、責務ではあるのですが、小学校教員との違いはこのアウトプットの方法に表れます。

そして、小学校教員のアウトプットの内容は基本的に「教育」つまり「授業」に関する内容となりますが、大学教員の場合は自分の専門となります。

つまり、教育だけでなく医学や工学、文学や理学など、その内容は世の事象全てが対象となると言っても過言ではありません。

そのため、アウトプットしやすく、分野によっては社会からも求められやすい内容として発信することができます。

ただ、こと「教育」においては小学校教員はプロです。

そのため、アウトプットの方法を変えれば、大学教員と変わらないどころかそれ以上の実績を積むことができます。

個人的なおすすめとしては、これまでの記事でもお話ししてきたことではあるのですが、学会に参加して発表したり、紀要などの論文に実践を残しておくということが挙げられます。

日々の業務をこなしながらとなるため、大変な負担とはなりますが、大学教員を目指される方はもちろんのこと、貴重な記録となりますので、後進の方々にも役立つ知見になるのではないかと思います。

学修する男の子

今回は小学校教員と大学教員のアウトプットについて考えてみました。

ぜひ、日々の業務にも慣れているベテラン教員の方々には、記録としての論文を残してもらいたいと切に願っています。

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