失敗するチャンスを与えてやる。教育者にできることはそれだけだ。

雑記

今回は漫画から感銘を受けた言葉を紹介します。

DAYS(デイズ)

今回の記事のタイトルは、私の大好きな漫画のセリフです。

DAYS(デイズ)とは、気弱な主人公がサッカーと出会い、気弱なまま部活にのめりこみ(サッカー全国区の強豪校)、気弱なまま仲間たちと上を目指していくというストーリーです(雑)。

この気弱な主人公は、運動神経も良くなく、サッカーもしたことがない本物の素人ですが、「実直さ」「根性」で困難を打破していきます。

王道ともいえるスポーツ漫画です。

監督の言葉

この気弱な主人公が私は大好きなのですが、さらに好きなのはその部活動の監督です。

タイトルの言葉は、その監督が発した言葉の一部となります。

改めて紹介すると

漫画の一面
引用:DAYS 5巻
漫画の一面
引用:DAYS 5巻

といった言葉となります。

この監督は作中でそれほど存在感を示す監督ではありませんが、劣等感を抱えながら教育者という道を進む人物です。

今回はこの監督の言葉を基に、教員にできることについて考えてみたいと思います。

教員にできることはたかが知れている

このようなことを書くと現場の先生からは叩かれてしまいそうですが、一教員として、教員のできることなどたかが知れていると思います。

思い返してもらいたいのですが、学校という場所で教えてもらったことの中で、現在覚えている内容がどのくらいあるのでしょうか。

私は小学校から大学まで学んできた中で、覚えている授業、学習内容というのは、5つあるかないか、という程度です。

しかも、覚えているのは学習内容ではなく、上手く発言できた授業や先生から怒られた授業といった、学習内容とは直接関係のないことが大半です。

ただ、多くの方がそうなのではないかと思います。もちろん、日々の授業で学んだことがテストなどの結果につながり、その結果が進学につながってきているというのは事実です。

ただ、それが教員のおかげかというと、その要素はごくごくわずかなものではないかと私は思います。

記憶力が良く勉強ができる子は、誰が教えても勉強ができます。

教えなくとも、教科書を読めば理解します。

「私の教え方が良い」「あの先生の教え方が良い」と思っているのであれば、それは勘違いだと思います。

先ほど紹介した監督の受け売りですが、結局のところ、子ども達は「自分で経験したこと」を糧に成長してくのだと思うのです。

成功したこと、失敗したこと、嬉しかったこと、辛かったこと、いろいろな経験をしながら学んでいくと思うのです。

授業についても、学んで、忘れて、また覚え直して、テストで忘れて、点数が取れなくて、また勉強して、はたまた諦めて、といった感じで、勉強の仕方や点数のとり方を学んでいきます。

それでは、教員の役割とは何なのか、汗水たらして必死に準備した授業は意味がないのか、と思われるかもしれません。

ここで、冒頭で紹介した監督の言葉を借りますが、教員にできることは失敗するチャンスを与えてあげる、つまり、学べる環境を整えてあげることだと思うのです。

必死に準備した授業であっても、クラス全員に教えたいことが伝わるかと言えば、そうではありません。もしかしたら、クラスの半分にも伝わらないことがあるかもしれません。ただ、その授業から子ども達が何かを学び取るきっかけになればよいと思うのです。

決して、テキトーな授業でもよいと言っているわけでありません。丁寧に準備された授業にこそ、学びのきっかけがたくさん詰まっていると考えています。

授業中の問題に取り組み、間違えて学ぶ子もいれば、正解して学ぶ子もいる。学び方は子ども一人ひとり違うのです。

そのため、「学ぶための環境を整えてあげる」ことが教員にできる微々たることの一つだと思っています。

今回は漫画のセリフから教員にできることを考えてみました。

昨今、教員の働き方について厳しい指摘がありますが、教員できることは微々たるものなのです。

そのため、肩ひじ張らず、背伸びせず、自分にできることに粛々と取り組む。

そのような地味な姿こそ、教員の本質だと私は思います。

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