※要注意「教員と学生の距離が近い大学」

雑記

今回は、「教員と学生が近い」というアピールピントをもつ大学についてお話しします。

アピールポイント

高校や大学は義務教育学校とは異なり、各大学におけるアピールポイントが必要となります。

それはもちろん、他の学校との差別化を図るためです。

このアピールポイントは、ホームページやオープンキャンパスにおいて強く押し出され、うちの大学に入学すれば、このような資格が取れます、このような経験ができます、といったことが書かれていたり、説明されたりします。

これは入学者を募るためにごくごく自然なことであり、おそらく読者の皆様もアピールポイントをつくり、打ち出すことに違和感を持つことはないかと思います。

「教員と学生の距離が近い大学」

このアピールポイントの中に、「教員と学生の距離が近い」ということを打ち出している大学があります。

言い方を変えて、「教員のサポートが手厚い」「教員が優しい」などといったアピールとしている大学もありますが、だいたい意中でも、この距離感についてのアピールを最重要ポイントとして打ち出している大学があります。

危険です。

個人的には非常に危険な大学だと思います。

なぜかというと、「教員と学生の距離が近い」「教員のサポートが手厚い」ということを最大のアピールポイントにするということは、裏を返せば、その他のアピールポイントがないということです。

つまり、他大学との差別化を図るポイントが「手厚い指導」しかないのです。

基本的に大学という場所は成人が通う場所です。そのため、小学校や中学校のような事細かい指導というのは必要なく、むしろ自分で考えて動くことが重要な学校段階です。

学生や保護者がどのようなサポートを望んでいるのかはわかりませんが、小・中学校のように、事細かに教員が指示をして、環境を整え、保護者とも密に連携をとるようなサポートを期待しているのであれば、それは大学という学校段階からはかけ離れており、成人に必要な主体性を潰してしまいかねません。

つまり、過度なサポートは逆効果といえます。

このように書くと、大学教員は何もしれくれないのか、と思われるかもしれませんので、保身のためにお伝えしておくと、発達段階に合わせた指導はきんとします。

もちろん、細かい指導が受けられるかどうかというのは、その教員によるかもしれませんが、わからないことを質問したら、教員は基本的にきちんと答えます。

質問に対する答えがなかったとしても、「自分で調べなさい」といった指示くれることがほとんどであり、ほったらかしにすることはほぼないかと思います。

そのため、「教員と学生の距離が近い」「教員のサポートが手厚い」といったアピールをしなくとも、教員はきちんと指導をしてサポートを行います。

学生指導以外のアピールポイントに着目する

上記のように、「教員と学生の距離が近い」ことをアピールポイントにしている大学は、私の勤めている大学を含め、かなりの数存在します。

そのため、学生指導を全くアピールしていない大学というのは、日本では上位の数大学しかないかもしれません。ただ、学生指導を最重要アピールポイントとしていない大学は一定数ありますので、可能であればそのような大学を選ぶことが賢明でしょう。

そして、学生指導以外のアピールポイントに着目して、どのような資格がとれるのか、どのような進路が期待できるのか、どのような知識、技術が学べるのか、といった具体的なアピールポイントを確認して、進学を決めるべきです。

距離が近いかどうかは別として、どの大学でも指導はきちんとします。そのため、学生指導をアピールポイントととしている大学は、ごくごく当たり前のことをアピールしているにすぎないと私は考えています。

これから大学を検討する高校生の皆さん、また、高校生の保護者の皆様、今回お話ししたようなアピールポイントに騙されることなく、その大学の本当の特色は何なのかということを見極めたうえで、大学を検討されることをお勧めします。

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