今回は大学教員公募における、採用が内定した後に行うことについてお話ししたいと思います。
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採用内定後の手続き
大学教員公募に応募した後、書類審査、2次面接等の審査を経て、無事に採用されると、年度内に様々な手続きが進められます。
着任後に行う手続きもあるのですが、着任前に行う手続きも意外と多いことがありますので、今回は着任前に行う手続きについてお話ししたいと思います。
提出書類
採用が決まったら、まず、基本的には採用内定通知書が届きます。
この書類が届くと、「採用されたんだな」という実感がわきます。
内定通知書の様式は様々ですが、基本的には、内定通知書とともに今後の手続きの進め方について書かれた書類などが入っていることが多いのではないかと思います。
(メール等でやり取りをする場合は、内定通知書だけということもあります。)
大学によって手続きは変わりますが、一般的な書類や手続きの進め方というのは大きく変わりませんので、まずは必要となる書類についてみていきましょう。
・健康診断書
・待遇に関する説明
・通勤経路について
・研究室備品について
・シラバス
ほかにも細かい提出書類があるかもしれませんが、基本的にはこのようなところでしょうか。
これらの書類について細かく説明していきたいと思います。
①健康診断書
大学教員に限らず、新しい職に就く際には健康診断書の提出が求められることがほとんどです。
そして、多くの場合、6か月以内、3か月以内という期日内に行った健康診断書の結果が必要となりますので、年度当初に行っていた社内や学内の健康診断結果などは使えないことがあります。
そのため、着任前に改めて健康診断に行くということを想定していたほうが良いかと思います。
求められる検査項目は一般的な項目と変わりないことがほとんどかと思いますが、胸部エックス線なども必要となることから、簡易的なものではなく、きちんと医療機関で受診する必要があります。
②待遇に関する説明
内定通知書が送られてから、まず先方から説明されるのが「待遇」についてです。
大学における諸手当の額や自分の給与(号棒など)についての説明がされます。
私の場合、短大に採用されたときは内定通知書に給与が記載してあり、4大に採用されたときは改めて諸手当を含めた給与表がメールにて送られてきました。
そして、待遇に関する説明を書面またはメール等で受けた後、給与支払いについての書類を提出することとなります。
つまり、給与の振込口座についての書類ということです。
大学によっては提携している銀行があり、新しく口座開設を求められることや、一部利用できない銀行があるため、先方の指示に従って給与振込先の口座を記入することとなります。
(現在は減っているようですが、ゆうちょ銀行などは給与の振込先として認められない場合が未だにあります。)
③通勤経路について
続いて、通勤手当を計算するための通勤経路に関する書類を提出する必要があります。
もちろん、新しい家が決まっていない方もいるため、多くの場合はぎりぎりの提出、または着任後に提出することとなります。
この際、自分の住まいの形態(賃貸、持ち家など)についても記載することとなりますので、住居手当などの申請も併せて行うこととなります。
通勤は大都市と地方では大きく異なり、大都市では通勤に電車を使うことが多いため、通勤に必要な「定期分」を支給することがあります。
一方、地方では通勤に車を使うことがほとんどですので、通勤距離を測定し、その距離の走行にかかる一般的なガソリン代を計算して、通勤手当を算出することが多いかと思います。
私は小学校教員の時に自転車で通勤していたのですが、それでも毎月2000円は支給されました。
大学でも自転車通勤に対して通勤手当を出してくれることがありますので、気になる場合は相談してみましょう。
④研究室備品について
これも大学によるかもしれませんが、大学では基本的に「研究室」が与えられます。
そのため、研究に必要なパソコン、プリンタ、机などの最低限の備品は大学から支給されます。
その際、ほかに必要な備品があれば、大学には寄りますが、要望を出すことができます。
例えば、ホワイトボードや追加の机、椅子など、授業や研究に必要だと思われる備品については準備してくれます。
ただ、冷蔵庫や電子レンジ、ごみ箱などは各自で準備する必要がありますので、生活備品については申請することができません。
(ときどき、前任者が使っていたレンジや冷蔵庫をそのままもらえることもあります。)
⑤シラバスの作成
大学ならではの準備となりますが、担当授業のシラバスを事前に作成する必要があります。
これは年末から年始にかけて作成が始まることが多く、年明け以降に採用が決まった方は急ピッチで作り上げる必要があります。
これも大学にはよりますが、授業内容はもちろん、予習、復習の内容、時間、評価の方法など、細かく記載する必要がありますので、担当科目が多い方の場合、大変な作業となります。(近年、文科省からの細かい指摘もありますので、シラバス作成がますます大変になっています。)
大学から大学へと移る方は授業のベースがありますが、大学以外の校種、職種から移られる方は、1から作らなければならないため、さらに大変です。
また、シラバス作成だけでなく、オムニバスの授業や卒業研究に関する打ち合わせなどがある場合は、それらの授業に対しても担当教員との打ち合わせや準備を進めなければなりません。
今回は採用後の手続き、準備についてお話ししました。
採用が決まったあと、現在の職場における仕事と並行して行わないといけないため、やはり忙しくはなります。
引っ越しなども絡んでくると、尚更、時間的余裕がなくなります。
ただ、採用された喜びはそれ以上の力をくれるため、意外と苦には感じなかったりもします。
採用後の話とはなってしまいましたが、よかったら参考にしてみてください。
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