今回は「教員は辞めづらい職業である」ということについてお話ししたいと思います。
私はこれまでに2度の転職を経験しています。
そして、どちらも教職関係の仕事であったため、教員を2度辞めるという経験をしてきました。
その経験を踏まえて、教員は辞めづらい職業だということをお伝えします。
①周りへの迷惑が先行する
これはよく聞くことかもしれませんが、教員を目指す人の多くは真面目な人が多いと感じます。
そのため、
「私が辞めたらこども達が可哀想」
「あれだけ期待してくれた親に申し訳ない」
「他の先生方に迷惑をかけてしまう」
といったような思考が真っ先に浮かぶ人が多いのではないかと推察しています。
もし、自分のことを優先できる人なら、嫌だと思った時点で辞めているでしょう。
しかし、それができない、しづらいというのは、自分のことよりも周りへの影響を重く考えてしまうからだと思います。
上記の内容は教員に限らず、他の仕事にも当てはまることではありますが、教員には「教え子」という最後のストッパーがあります。
真面目な人ほど、こども達のことを考えてしまうがあまり、教員という職業を辞めることができなくなってしまうのです。
②プライドが邪魔をする
今となっては多くはありませんが、一昔前まで教員といえば社会的に恵まれた地位の職業とされていました。
そのため、
教員=勝ち組、安定
といった思考の人が多かったのも事実です。
実際、今でも田舎の方ではこのような思考の方が多く、私も教員になったときは祖父母から大変喜ばれたものです。
しかしながら、この教員=勝ち組といった図式を持っていると、自分が追い込まれた時に変なプライドが邪魔をしてしまう場合があります。
「自分は勝ち組というレールから外れるわけにはいかない」
といった具合に、教員という職業に誇りを持っている場合も辞めづらくなってしまうことがあります。
多くの方は①のケースが当てはまるのかもしれませんが、気づかないまま②のケースに当てはまっている人もいるのかもしれません。
そして、教員は辞めづらい職業であるが故に、心身の不調を訴えるまで頑張ってしまい、最終的には病を理由に辞めることとなるケースが後を立ちません。
私は幸いなことに病が理由で辞めたわけではないのですが、もしかしたら心の病にかかったあたのかもしれません。
感動しない
以前の記事でも書きましたが、小学校教員時代は激務でした。
朝は7時前には出勤して、夜は平均して23時まで学校にいました。
そのため、帰るのは24時頃となり、家は寝るだけの場所と化していました。
そのような生活を続ける中で、当時はあまり気にならなかったのですが、振り返ってみると大きな異変が起こっていました。
それは「感動することが減る」ということでした。
私は音楽鑑賞や映画を見るのが好きでしたので、通勤の際に音楽を聴いたり、休日には映画見たりしていました。
そして、音楽から勇気をもらったり、時には映画で泣いたりしながら、次の日への活力をもらっていました。
しかし、働き始めてから音楽や映画に心を奪われることが圧倒的に減りました。
当時は音楽や映画にすら意識がいかないほど忙しいんだ、と考えていましたが、改めて思い返してみると、これは「鬱」の症状だったのかもしれません。
鬱の代表的な症状として、「感情が動かない」という症例があるのですが、まさにそれが過去の自分に当てはまります。
こども達には、「大人になると感動できることが減るから、いろんなことに触れて、たくさん感動してください」と言っていましたが、大人になると感動しなくなるのではなく、鬱であったから感動しなかったのだと思います。
子どもと大人の感動の基準は違いますが、大人には大人の価値観があり、大人でも感動はします。
私はなんとか仕事も続けられていましたし、日常生活に支障が出るほどではなかったため、病院を受診することもありませんでしたが、あのまま小学校教員として働き続けていたら、体を壊していたかもしれません。
転職=希望
上記のような状態でしたので、私は小学校教員を辞めたいと思ったことが星の数ほどあります。
他の教員がどのような心持ちで働いているのか、本当に不思議でたまりませんでした。
そのため、転職を何度も考えていました。
YouTubeを始めようと思ったり、ポートレーサーを目指そうと本気で思ったこともありました。
ただ、ご覧になっていない方は過去の記事をお読みいただきたいのですが、大学教員への道が一度断たれたことで、「絶対に這い上がってやる」という反骨精神が湧いてきました。
(過去の記事をご覧になっていない方は以下からどうぞ)
https://note.com/embed/notes/n02d9f024a8df
この転職への活力が希望となり、仕事を支えてくれていたのは言うまでもありません。
今回は教員が辞めづらい職業であるということをお話したかったのですが、後半はその教員を二度辞めた私の身の上話となってしまいました。
ただ、教員を辞めたいと思っている、同じ境遇の方がいらっしゃれば、何かの参考にはなるのかなと思い、あえてそのまま記事にしようと思います。
語弊があるといけませんので申しておくと、教員は素晴らしい職業です。
なんだかんだで教員をしている私をみてもらえれば、それは証明できるのではないかと思います。
そのため、私とともにぜひ辞めましょうということを煽っているわけでは決してありません。
しかし、教員の過酷な現状が改善されていないのもまた事実です。
辞めたいけど辞めづらいなと感じている人は、ぜひ、自分との対話を大切にして、現状を見つめ直すきっかけにしてもらえたら幸いです。
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