最高の子育ては親がお金を稼ぐこと?~大きな声では言えない「裏教育論」~

雑記

本日は「最高の子育て」について考えてみたいと思います。

マシュマロテスト

まず、「マシュマロテスト」と呼ばれる研究についてお話しします。

マシュマロテストとは、最近流行りの「非認知能力」の一部である「忍耐力」を検証したテストです。
1960年代~70年代にかけて行われたテストであり、2018年に再現実験が行われていますが、現代では倫理的な観点から極めて実施するのが難しい実験と言えます。

実験の概要については、私がここにつらつらと書くよりもWikipedia様をご覧いただいた方が早いかと思いますので、マシュマロテストをご存じない方は、以下のURLからマシュマロテストもご参照ください。

Wikipedia様を読むのが面倒という方は、私が簡単に概要をまとめますので、読み進めてください。

マシュマロ実験 – Wikipediaja.wikipedia.org

マシュマロテストについて簡単にまとめると

・4歳の子どもを対象に「マシュマロを15分間食べずに我慢できるか」というチャレンジを行った。
・チャレンジは「15分間食べずに待つことができたら、もう一つマシュマロをあげる」という条件がついていた。
・マシュマロテストの被験者を追跡調査したところ、15分間我慢できた子どもの方が、「優秀」と言われる成績を残していたり、社会的成功を収めていた。

というものです。

ただ、2018年に行われた再現実験によると

・長期的な効果としては、マシュマロを我慢できるような「忍耐力」よりも「経済的背景」のほうが影響を及ぼしていた。

という研究結果が報告されています。

非認知能力ブーム

マシュマロテストの結果を踏まえて、最近の子育てのブームを見てみると流行りの一つに「非認知能力」というものがあります。

非認知能力とは、数値化できる認知能力(IQ、テストの点数、通知表など)以外の数値化できない能力の総称のことです。

例えば、忍耐力やコミュニケーション力、情緒安定性など能力が挙げられます。

この非認知能力は、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマン(James Joseph Heckman)が行った研究が基で提唱されるようになったと言われており、ペリー就学前プロジェクトという検証が大きな影響を与えています。

ペリー就学前プロジェクトの概要についてはWikipedia様をご覧ください。
(読むのが億劫な人はそのまま読み進めてください。確認せずとも話は繋がります。)

ペリー・プレスクール・プロジェクト – Wikipediaja.wikipedia.org

マシュマロテストにしろ、ペリー就学前プロジェクトにしろ、結果的に非認知能力を幼児期に高めることが重要だという部分が強調されており、早期の勉強よりも遊びや様々な体験のほうが大切だといわれています。

そして、現在の非認知能力ブームにつながっています。

あまり非認知能力という言葉を聞いたことがないという方は、おもちゃ屋に行くか、何でもいいので教育雑誌を買ってみてください。おもちゃ屋だと「○○先生推薦!! 非認知能力を高める知育!!」みたいなキャッチコピーのついたおもちゃが必ずあります。教育雑誌であれば、どこかにその言葉が出てくるはずです。

それほど、今の世の中に「非認知能力」という言葉は広がっています。

最高の子育ては「金」ありき

この「非認知能力」ブームなのですが、一つおかしな点があります。

マシュマロテストやペリー就学前プロジェクトの内容をご確認いただいた方はわかると思いますが、これらの検証では、最終的に子どもの成功と関係性があると言われていたのは「非認知能力」ではなく、子どもがおかれている「経済的背景」です。

マシュマロテストでは2018年に行われた再現実験において、子どものその後の成功と経済的背景に相関がみられ、ペリー就学前プロジェクトにおいては、「お金はかかるものの」プロジェクトに参加した子のほうが、将来的に成功を収めていたという結果が出ています。


つまり、ペリー就学前プロジェクトでも、プロジェクトに参加できる経済的背景にある子ども達が、非認知能力を高めていたこととなります。

つまり、極端で、口の悪い言い方をすると

最高の子育ては「金」

ということになるわけです。

社会的に言いづらいのかもしれませんが、

「非認知能力を高めよう!!」

というフレーズはよく見る一方、

「経済的背景を豊かにしよう!!」

というフレーズは見たことがありません。

もちろん、経済的に豊かだから子どもが将来的に成功するという確証はありませんし、経済的に貧しいから将来的に成功しないということではありません。

経済的に豊かな反面、親とのコミュニケーションの時間が奪われていたり、関わりが十分でない場合もあります。

しかし、経済的に豊かであれば、「子どもとの時間を増やそう」という選択肢を選ぶことができます。
非認知能力を高めるにしても、たくさんの選択肢の中からどのような体験をしようか、と検討することができます。

一方、経済的に貧しい場合は、「子どもとの時間を増やそう」という選択肢を選択できなかったり、選択肢の幅が狭まったりしてしまいます。

そのため、批判を恐れずにいうと、子どもに将来成功してほしいのであれば、「親が必死でお金を稼ぐ」ということが最高の子育てになりうるわけです。

お金に関する話はなかなかしづらく、親としては耳の痛い部分なのかもしれませんが、今回はあえて突っ込んでみました。

最近メディアでご活躍中の成田悠輔氏の「言っちゃいけないことは、たいてい正しい」という論に触れる部分かもしれません。

私も親の立場として「お金がすべてじゃない」という意見には賛同しますが、「お金が影響する」という事実を受け止めて子育てに励みたいと思っています。

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