今回は小学校教員時代の後悔していることについてお話ししたいと思います。
暑中見舞い、年賀状
小学校教員時代の後悔など星の数ほどあるのですが、その中でも考えれば考えるほど失敗だったなと思うことして、「はがきの郵送」があります。
具体的には、夏季休業中の暑中見舞いと、冬季休業中の年賀状を担任をしていた子ども達に送っていたことです。
教員の方ならわかってもらえるかもしれませんが、長期休暇中、子ども達との関係性を絶たないために、はがきを送ることがあります。
特にベテランの方は送っていた印象がありますので、もしかしたら、年配の方のほうがそのような風習をよくご存じかもしれません。
はがきの郵送は本当に担任の先生によるため、送る先生と送らない先生がどちらもいらっしゃいます。
そして、それは必須業務ではないため、教員の自己判断で送ることとなります(学年などで統一されていない場合)。
はがきの作成についても本当に人それぞれで、全く同様の内容を送る方もいれば、一人ひとりすべて異なるコメントを書き込む先生もいます。
私は、家にプリンタがなかったため、約30名分の宛名とコメントをすべて手書きで作成せざるを得ませんでした。
ただ、公平性を保つため、全員に同じコメントを書き込んでいました。
プリンタがあればかなり楽に作業が済んでいたと思いますが、やはり手書きは時間がかかるとともに、失敗することもあるため、失敗用のはがきも準備しておく必要がありました。
たかがはがきですが、働き始めたばかりの教員にとっては、はがき代さえも痛手となるような状況でした。
そもそも、なぜはがきを送ろうと思い始めたかというと、単なるエゴです。
はがきを送ると子ども達が喜んでくれるかな、という、ただそれだけです。
毎年、担任をしていた子ども達に送るだけならよかったのですが、私の場合、小学校教員として勤めた数年間で担任をした子ども達全員に送っていましたので、毎年、年賀状が倍ほどに増えていきました。
私の中では、担任をした子ども達が小学校を卒業するまでは年に2回、はがきを送ろうと思っていたのですが、これば大きな失敗でした。
たしかに、はがきを送れば子ども達は多くの子たちが返信をくれます。
親に言われて書いているのかもしれませんが、やはり返信をもらえると嬉しいものです。
ただ、担任を終えた後も送り続けたというのは、小学校教員を辞めてから考えると、ただのエゴにしか感じられませんでした。
担任は毎年変わる学区であったため、私が担任をしていた子ども達も、次の年には必ず別の担任となります。
持ち上がりは一度もなかったため、2年以上担任をすることはありませんでした。
そんな中、「子ども達が喜んでくれるから」という理由ではがきを送り続けるということは、その年の担任にも失礼であったと感じます。
なぜなら、もし、私のことを慕ってくれる子どもがいた場合、現在の担任と比較する機会を与え、担任業務がやりづらくなる可能性があるからです(自意識過剰かもしれませんが)。
考え方は様々だと思いますが、自分を慕ってくれる子どもはやはり可愛く感じるものです。
ただ、だからと言って、自分からその子に関わり続けることは、本当に良いことなのか、と今でも考えます。
今後、考え方は変わるのかもしれませんが、今の私の考えとしては、「教員は忘れられてなんぼ」だと思っています。
茶道や武道の教えにある、「守破離」という考え方が一番近いかと思います。
子ども達はいずれ自立して、自分の力で道を歩いていくものです。
その道に、いつまでも並走者はいらないのです。
子ども達から援助を求められた場合は対応すべきだと思いますが、頼ることが常態化してしまうのは、やはり良いことだとは思いません。
年に2回という頻度ではありましたが、はがきを送り続けたことが、今となっては自分のエゴだったなと、振り返る度に恥ずかしく、やるせない気持ちになる出来事の一つです。
話がまとまりませんが、今回は小学校教員時代の後悔についてお話をしてみました。
この記事をご覧になっている小学校教員の方がいらっしゃったら、はがきの郵送はお勧めしません。
上記の理由もありますが、学級の子ども達が30人を超えてくると、純粋にに大変だからです。
手間も時間もお金もかかります。
子どもとの信頼関係ははがき一枚で築けるものではありませんので、私のような小細工をするよりも、日々の関わりに力を注ぐほうが絶対的に得策だといえます。
趣味で行うぶんは良いかもしれませんが、作業に少しでも苦痛が伴うのであれば、今すぐやめましょう。
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