授業評価アンケートの活用

雑記

今回は授業評価アンケートについてお話をしたいと思います。

授業力

テキトーに「授業力」という言葉を使ってしまいましたが、かなり抽象的であるため、ここでの解釈をお話ししておきます。

授業力とは、「授業を円滑に進め、正しい知識を教授するとともに、学びに対する意欲をかき立てる内容を展開する力」とでも申しておこうと思います(私の勝手な定義です)。

簡単にいうと、受講者が授業に集中でき、授業内容を正しく理解し、次の授業も受けたくなるような意欲をかき立てるような授業内容を展開できる力ということであり、総じて、受講者の満足度の高い授業ともいえます。

以前の記事でも触れているかと思いますが、現場の先生方と大学教員の授業を比べると、天地ほどの差があります。

現場の先生方は常に授業研究を行っており、「教える」ことのプロですので、授業の進め方にも無駄がありません。

もちろん、人によってその差はありますが、経験年数を重ねていくことで、上記の「授業力」が向上してくるのは間違いありません。

一方、大学教員は教育も仕事の一つとされていますが、どちらかというと研究に重きをおく方が多いため、授業力に関しては現場の先生方に遠く及びません(自分を含め)。

大学教員は授業について検討を行ってきたわけではないため仕方がないことではありますが、それでも、受講する学生の立場に立つと、より分かりやすい授業にしてほしいと思うのは当然だと思います。

そのため、大学教員も何かしらの方法で自分自身の授業について振り返り、その進め方について検討を行う必要があります。

授業評価アンケート

そこで活用できるのが「授業評価アンケート」というものです。

授業評価アンケートは、前期と後期の最終回の授業時に行われ、各授業に対して受講者が評価を行います。

評価項目は大学ごとに違いますが、おおよそ、

学生自身の取り組みに関する項目(予習に何時間かけたか、復習に何時間かけたか、など)

教員に関する項目(説明はわかりやすかったか、評価に関する説明はなされていたか、など)

の二つの項目で構成されています。

我々教員にとって重要なのは、もちろん教員に関する項目となります。

この授業評価アンケートは、公表の仕方には差があれど、学外に公表することが求められています。

そのため、学内で完結することではなく、各授業、ひいては、大学全体の教育力を評価する一つの指標として公開されることとなります。
※大学が補助金を受け取るために必要な申請書のなかにも、授業評価アンケートの実施及び公表の有無を記載する項目があります。

アンケートを活用しようとする姿勢

授業評価アンケートは基本的に5段階評価で各項目に回答することが多いのですが、記述式で回答することもできるようになっています(※大学によります)。

そのため、授業に対する要望を書くこともできるようになっていることがほとんどです。

この記述式を含めたアンケート結果を各期の授業終了後に我々教員は受け取るわけなのですが、アンケート結果の捉え方には個人差があります。

個人差があるのは当たり前なのですが、私の感覚としては、ある傾向があると感じています。

それは、

授業力の低い教員ほど、アンケート結果を軽視する

という傾向です。

授業力が低いということは、授業に満足していない、つまり、不満をもっている学生が多いということになり、アンケート結果もよろしくないことが多いです。

しかしながら、アンケート結果を軽視する教員は「授業に対して不真面目な学生が教員評価を貶めるために回答している」という考えをもっていることが多いのです。

そのため、評価の悪い授業評価アンケートを突き付けられたとしても、その評価は信憑性に欠けるため、授業の改善は必要ない、という結論に至るようです。

確かに、受講生全員に満足する授業を展開するのは大変難易度の高い取り組みとなるかもしれません。

全受講生の理解レベルに合わせて授業を展開するのは無理であり、その場合、授業についてこられない学生からは不満が出るかもしれません。

ただ、授業評価アンケートを活用して授業レベルを確認し、次年度に活かすことで、ある程度対策を取ることは可能です。

そもそも、入学してくる学生の学力レベルを把握していれば、授業内容の難易度は合わせることができます。

また、不真面目な学生が一部いたとしても、その評価は「一部」であり、全体的な評価が高ければ最終的な評価に大きな影響は与えないはずです。

つまり、自分の授業力の低さを認めない傲慢でしかないと思うのです。

未だに大学教員は研究者だから授業力は関係ないという方もいますが、大学という機関に属している限り、教育の一端を担っているわけですから、教育力の向上は必須です。

今回は授業評価アンケートについてお話ししました。

このような記事を書いたからには、私自身も授業力向上を図るために受講者の意見を真摯に受け止め、次の授業に活かしていく所存です。

学生の方でこの記事をご覧になった方は、ぜひ、授業評価アンケートを活用して、忌憚のない意見を教員に伝えてください。

残念ながら、その意見は伝えた後に活用されることとなりますが、後輩や今後の大学のために役に立つはずです。

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