回は短大における働き方について回顧したいと思います。
職員室
短大では、研究室とは別に「職員室」と呼ばれる部屋が用意されており、この部屋では学科会議などの会議が開催されたり、学科全体で共有しておくべき書類などが保管されていました。
基本的には学科専属の事務員さんが常駐しており、無人ということにはならなかったのですが、学科教員であれば誰でも使うことのできる部屋となっていました。
ここまでの話を聞くと、非常に使い勝手の良い部屋のように聞こえるかもしれませんが、この部屋の使い勝手の良さが私を苦しめる原因となっていました。
井戸端会議
私が勤務していた短大では、お昼ご飯をこの職員室で食べることとなっており、全員の先生方が食べていたわけではありませんでしたが、ほとんどの先生方がお昼に集まってきていました。
もちろん、昼休みに訪ねてくる学生もいることから、毎日お昼を食べるということはなかったのですが、基本的に職員室に集まって食べることとなっていました。
どこかに集まって食べるということに関しては特に異論なく、その時にしかできない情報交換もありましたので、最初のうちは私も職員室で食べていたのですが、短大での勤務1年目が終わろうとした頃、私は職員室で食べることを辞めました。
理由①悪口や噂話が増えてくる
私が最も苦痛だったのが、この悪口や噂話が増えてきたことでした。
今考えれば、もともと悪口や噂話の温床となっていたのだと思いますが、私が着任したころは新任教員に手取り足取り教えてくれる非常に良い学科だと感じていました。
ただ、慣れてくると本来の姿が見え隠れするようになり、しまいには、基本的に悪口や噂話が飛び交う場所となっていました。
まさに井戸端会議です。
情報交換ができることもあったのですが、雑談になると、途端に噂話が始まります。
雑談に意味を求めてはいけないと思っていましたが、意味がないどころか不快になる話が横行すれば、さすがに嫌になってきました。
暗黙の了解となっていた職員室でのお昼ご飯は、個人としては1年で終わりを告げました。
理由②時間の無駄
理由①と重なりますが、人の悪口や噂話を聞くくらいなら、自分の作業の時間にあてたほうがよっぽど効率的でした。
愚痴や噂話でストレスを発散する人もいますので、完全悪とは思いませんが、少なくとも、私は無駄と感じてします時間でした。
ご飯を食べるのに本来10分程度しかかからないのに、職員室で食べると最低でも30分、次の授業がない場合などは1時間以上足止めを食らうこともしばしばでした。
そして、そのような時間を過ごした後、お話が大好きな教員が決まって「こういう話(雑談)が大事」というのです。
何が大事か意味が分からなかった私は、そもそも職員室でご飯を食べるということが肌に合っていなかったのでしょう。
私にとっては、昼を早めに済ませ、自分の仕事をするほうがよほど大事に感じていました。
理由③派閥の形成
冒頭でも話しましたが、職員室には全員が集まっていたわけではありません。
私のように、みんなで集まって雑談をしながらご飯を食べるのが肌に合わない教員もいましたので、その方々は自分の研究室でご飯を食べていました。
そうなると、お昼に集まるメンバーとそうでないメンバーで派閥のようなものが生まれ、学科会議でもおおよそ職員室メンバーの意見がまとまっているのを感じていました。
このような状況になると、学科に関わる話もお昼に進むこともあり、職員室で食べていない教員は全く知らない話が学科会議で急に出るようなこともしばしばありました。
雑談は結構ですが、教員全員が揃っていない場で学科の話を進めるのはフェアではない、と感じて、さらに職員室に行くことが嫌になっていました。
今回は短大時代の愚痴となってしまいました。
教員にもいろいろな方がいますので、お話が好きな方、苦手な方など、それぞれだと思います。
短大では私がその学科の風土に合わなかったというだけで、他の先生方にとっては非常に良い職場だったのかもしれません。
ただ、ある程度の縛りはあれど、自由な働き方ができるというのが大学教員の良いところでもあると思います。
自分の時間が削られ、その結果無意味な話に付き合わされるくらいなら、裏で噂話をされようと、嫌味に思われようとも、自分の働きやすいスタイルで働くべきだと思うのです。
話に付き合って得られるものは、おばさん教員の好感度だけであり、大学教員に必要な業績は全く積みあがっていきません。
いつか今の状況を変えたいと思っているのであれば、目先の働きやすさに飛びつくのではなく、その先の目標達成に必要なことは何なのか、ということを考えるべきだと感じます。
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