今回は大学院の選び方についてお話ししたいと思います。
大学院への進学
タイトルが意味不明ではあるとは思いますが、その説明は後回しとさせていただき、まずは大学院へ進学する方というのはどのような方なのか、ということについて考えてみたいと思います。
大学院とは一般的に「大学院博士前期課程(修士課程)」のほうを示すことが多いのですが、「大学院博士後期課程(博士課程)」も存在します。
修士課程は2年、博士課程は3年で修了を目指す課程であり、大学教員を目指される方は博士課程まで進学される方が多い印象です。
ただ、専門分野によって進学率には大きく偏りがあり、工学系や理学系の仕事に就くことを希望している学生は修士課程まで進学したのち、一般就職をする方が多いです。
(大学院への進学率や各分野の進学率については少し古いですが、以下のサイトをご覧ください。)
https://www.mext.go.jp/content/1422060_009.pdf
大学院へと進学する理由としては、純粋に学びたいため、年収の高い仕事に就きたいため、大学教員になりたいため、など様々かと思いますが、何かしらの理由があって進学することを決めた場合、どこかしらの大学院に入学をする必要があります。
大学院では選ばない
前置きが長くなりましたが、タイトルの意味をご説明します。
大学院は大学と違い、大学院でどのような研究を行いたいのか、という「研究計画書」が重要となります。
そのため、一部の大人気大学院を除いて、入学試験はあれど、よほどのことがない限り試験内容で落とされることはありません。
(あまりに試験の結果が悪く、基礎学力に問題あり、とされてしまった場合は別ですが…)
そうすると、学部の入試の際には手が届かなかったような名のある大学でも、大学院には入学できてしまうため「学歴ロンダリング」という現象が起きやすくなります(学歴ロンダリングについては以下の記事をご覧ください。)。
決して有名大学院への入学が簡単というわけではありません。
有名大学院は人気があるため、倍率も高くなり、それなりに入学の難易度は上がります。
ただ、学部の頃よりかははるかに入学がしやすくなる、というのは間違いありません。
そのため、大学院でなにが学びたいのか、ということよりも、大学院のネームバリューに惹かれて入学を検討してしまう、という人が増えてしまうのです。
しかし、本来は「何を学びたいのか」「何を研究したいのか」という観点で大学院を選ぶ必要があるはずです。
そうすると、最終的には学びたいことを教えてくれる「第一人者」がいる大学院を選ぶことが最適だと言えます。
「どこで学ぶか」ではなく、「誰に学ぶか」ということが、大学院を選択する最も重視すべき要素となるのです。
つまり、大学院を選ぶ際には、「大学院で選ぶ」のではなく「誰に教えてもらうか」という「指導教員」で選ぶべきなのです。
大学院に大差はない
タイトルの意味について説明をしましたが、正直なところ、有名大学院だろうが、海外の大学院だろうが、地方の小さな大学院だろうが、授与される学位に差はありませんので、採用にはあまり影響しません。
もちろん、大学の世界ではまだまだ「学閥」という悪しき風習がはびこっていますので、影響がゼロかというとそうではありませんが、学位を持っているか、もっていないか、ということの方が採否に影響を与えます。
そして、どこの大学院を出たかということよりも、大学院でどのような研究を行ったのか、ということの方が重要になりますので、自分の学びたい分野の第一人者に教えてもらえる環境があれば、これ以上に研究がはかどることはありません。
自分の本当に学びたい環境を見つけるためにも、大学院は「大学名」で選ぶのではなく「指導教員」で選ぶべきなのです。
今回は大学院の選択の仕方についてお話ししました。
大学院に行くことをお勧めするわけではありませんが、研究が好き、もっと学びたい、という方はご検討ください。
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