大学教員には頭が良くないとなれない?

雑記

今回は大学教員の「頭の良さ」についてお話ししたいと思います。

何をもって「頭が良い」とするかで話が全く違ってくるかと思いますので、今回は「学力が高い=頭が良い」として話を進めたいと思います。

大学教員には頭が良くないとなれないのか?

この問いに関しての回答は、

「良いに越したことはないが、必須ではない」

となるかと個人的には思います。

学力が高いということは、総じて物事の処理能力が早いことにつながりますので、学力が高いことに越したことはないでしょう。

実際のところ、小さな大学や短大教員、高専教員、専門学校教員であったとしても、有名大学出身の方が多いのは否定できません。

ただし、有名大学出身でないと大学教員になれないのかというと、そうではありません。

私が良い例ですが、私はセンター試験(現在の共通試験)で6割(540/900程度)しか取れておらず、偏差値的にはちょうど50程度でした。つまりちょうど平均ということです。

ちなみに、2次試験の結果を含めた大学入試の開示をしたところ、35人定員の36番目という成績でした(定員の1割程度であれば、余分に入学させることができます)。

おまけもおまけという成績です。

もちろん、この成績を見て「頭いいじゃないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、大学受験者の中で見てみると、ごくごく平均的な成績といえるかと思います。

学力が高く、有名大学出身の人しか大学教員になれないのであれば、私は今の職業につけてはいないでしょう。


自分自身の経験からも、学力はあったに越したことはありませんが、必須ではないということは確実に言えます。

大学教員に必要な能力

では、大学教員に必要な能力とはどのような能力なのでしょうか。

私個人としては、

①高い専門性

②外部への情報発信力

この二つに尽きると考えています。

①高い専門性

大学教員は研究者でもあるため、高い専門性が求められます。

各分野のスペシャリストである必要があるということです。つまり、ある分野では突き抜けた知識や技能を持つ存在であることが必要となります。

先ほど、学力の話をしましたが、こと専門性に関してはその学力が比例しない場合があります。

例えば、テストでの点数はあまりとれないのだけれど、電車に関する知識は凄まじい場合、通知表の成績は良くないのだけれど、魚に関しての知識は膨大であり、たくさんの魚を育てている場合などが挙げられます。

もちろん、興味のある分野が「学問」として認められており、大学に学科が設置されていることが前提となりますが、上記のような例の場合、大学教員として働いていくための素質は十分だと言えます。

この専門性に関しては、非常に小さな分野である場合もあり、霊長類の中でもテングザルだけを研究している先生や、レッサーパンダだけを研究している先生もいます。

そのため、「その研究が何の役に立つんだ」という疑問を浴びせられることも珍しくはないのですが、どのような分野であれ、大学教員を目指す場合は高い専門性を有していることが必要だと考えています。

②外部への情報発信力

大学教員は自分の研究成果を社会に還元する責務があり、論文発表や学会発表、テレビやラジオなどのメディア出演もその一環だと言えます。

ニュースなどのコメンテイターとして「○○大学教授 ○○」といった方がゲストで迎えられている場面をよく見るかもしれませんが、あれは、そのニュースに関連する高い専門性をもった人であり、その人が携わってきた研究に関する知見を社会に発信しているということとなります。

そして、大学教員は外部への発信が自分自身の業績となります。

つまり、書いた論文の数や学会発表の数、メディアへの出演数などが自分の実績となっていくのです。

論文に関しては、数だけ積み上げればよいものではないと言われますが、実際のところ、たくさんの論文を書いている人と、質は高くても数本しか論文を書いていない人とでは、たくさん論文を書いている人のほうが採用されやすいです。

なぜなら、論文の質というのは読む人によって価値が変わり、均一な評価がしづらいからです。

そうなった場合、何で評価をするのかといえば、「数」となります。

しかし、外部に発信するためには研究をしなければ新しい知見を発表することもできません。

そのため、必然的に研究を行う必要が出てくるわけです。そうすると、また実績が積み上げられ、その人の大学教員としての価値が高まるわけです。

このように、研究→発信という流れをたくさん作れる人こそ、大学教員としての資質にあふれた人だと言えるでしょう。

大学教員はみんな頭が良いわけではない

このように、大学教員といってもみんながみんな頭が良いわけではありません。

自分の強みとなる分野を持っており、その分野での研究結果を外部に発信することができれば、学力は必ずしも必要とはいえないのです。

私が言うと負け惜しみになってしまいますが、実際に大学教員として働く中でひしひしと感じていることでもあります。

そのため、「大学教員なんてなれない」「自分は頭が良くない」という勝手な決めつけをしてしまっている方がいらっしゃる場合は、ぜひ見方を変えてほしいと思います。

そして、大学教員を目指したいという方がいらっしゃれば、学力などに惑わされず、自分のなりたいという意思を大切に突き進んでほしいと思います。

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