9月卒業について~大学教員の心情~

大学教員の仕事

今回は9月卒業についてお話ししたいと思います。

9月卒業とは

9月卒業についてご存じない方のために説明をしておくと、大学には通常の卒業(3月)のほかに、9月にも卒業ができるシステムが備わっています。

基本的に前期、後期という2つの学期に分かれる大学ですが、前期終了後に卒業をするということです。

ただ、これは決して優秀な学生がとる方法ではなく、留年した学生を中心に、4年間では卒業できなかった学生が対象となる措置です。

これは、前期に開講される科目をすべて取り終えていた場合、卒業式が3月にしか開催されないと、何もない後期を過ごすこととなってしまうため、前期終了後にも卒業を認める特別措置がとられるわけです。

基本的に本人の怠慢

9月卒業を選択する学生は、批判を恐れずに言いますと「怠慢な学生」がほとんどです。

留学に行っていたがために卒業時期がずれた、何かしらの病気を患っていたがために卒業時期がずれた、という正当な理由がある学生も稀にいますが、多くの場合、怠慢による単位不足によって留年が決まった学生がほとんどです。

そのため、9月卒業生に対する目は決して良いものではないことが多いのが実際です。

その他大勢は3月に卒業していくわけですので、それに併せて卒業できないということで、同情を買うこともあるのですが、その学生の4年間を見ていると、ほとんどの場合、同情といった感情は全く湧かないことのほうが多いものです。

9月卒業生に対する心情

今期、私のゼミ生にも9月卒業となった学生がいました。

理由は例によって例のごとく、怠慢による単位不足によって留年が確定し、前期に単位が揃ったため、卒業が可能になったというわけです。

今回、9月卒業時に感じた自らの心情として、真っ先に出てきたものとしては「ようやく出てくれる」という感情でした。

このようなことを書くと批判が巻き起こりそうですが、教員も人間であり、少なくとも私は聖人君子ではありません。

留年生をゼミに抱えるということは、通常のゼミ生に加えて指導対象が増えるということであり、それが正当な理由ならまだしも、本人の怠慢が理由で留年したとあっては、こちらとしても指導のモチベーションは低くなります。

とはいえ、きちんと課題を課し、それに対する評価を行わなければなりませんので、心を無にして対応しました。

時々、勘違いする学生がいて困るのですが、「長い間大学にいた自分がいなくなるのは寂しいのではないか」などと聞いてくることがあります。

私個人の意見ですが、全くそんなことはありません。

むしろ、早く出て行ってくれと毎授業思っています。

我々には留年生をさらに引き留める理由など微塵もないからです。

早く卒業させることが我々の責務だとも思っています。

義務教育段階であれば、また違った心情が感じられるのかもしれませんが、大学生というのはほとんど大人です。

残酷かもしれませんが、社会に出て行ってくれることのほうがよほど嬉しいです。

大学の卒業

今回は愚痴のようになってしまいましたが、9月卒業生に対する心情に関して書いてみました。

もし、この記事を見ている留年生がいるのであれば、教員が望んでいることは、「一刻も早く大学を卒業すること」だということをお伝えしたいと思います。

何かしらの理由があって留年したのなら話は別ですが、そうでない場合、自分に喝を入れて、卒業を勝ち取ってください。

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