今回は学会の役割についてお話ししたいと思います。
学会とは、ある専門分野に対しての研究成果を持ち寄る場であり、簡単に言えば、勉強会のような場です。
小学校でいえば、公開研究会と同じようなものと思ってもらえたらよいかと思います。
大学教員は研究成果を社会に還元するという責務がありますので、この学会で研究成果を発表することが一つの仕事となります。
そこで、私自身の考えを整理する意味もあるのですが、学会の役割について考えていきたいと思います。
学会の役割①最新の知見に触れられる
学会の最大の役割はこれだと思っています。
基本的に日本の学会発表は、未発表の研究を発表する場となります。
そのため、どこにも発表していない研究結果が集まることから、その分野の最新の知見に触れることができます。
海外の学会発表では発表済みの研究を学会で発表することもありますが、日本ではまず未発表の研究が発表の対象とされますので、学会で発表したあと、その研究についての論文を書いていくのが多くの研究者の流れです。
学会の役割②交流の場となる
二つ目は交流の場となるということです。
当たり前と思われるかもしれませんが、発表に対する質疑応答はもちろん、学会には様々なシンポジウムが開催されたり、懇親会が開かれたりします。
そのため、研究に対する意見交換を含め、ざっくばらんに話をする場ともなるのです。
若い方はとにかく多くの発表を聞きに回り、名刺を交換することで名前を覚えてもらう方もいらっしゃいます。
懇親会はほとんど飲み会ですので、お酒を飲みながら意見交換をするのもいいかもしれません。
学会の役割③実績づくりになる
次に、実績につながるということです。
最近は活字業績が求められていますので、学会発表はやや実績として弱くなっているところがありますが、実績としてカウントすることができます。
そのため、小学校教員から大学教員を目指す方にとっては、まず、学会発表から始めてみてはいかがでしょうか。
さて、学会の大まかな役割について話をしましたが、学会に参加する際の注意点について考えてみたいと思います。
注意点①勉強した気になる
学会に行くと色々な意見がもらえて、いかにもアカデミックな世界に浸ることができます。
そのため、学会に参加するとあたかも勉強した気になってしまうのです。
私だけなのかもしれませんが、学会への参加はやはり発表を行うに限ります。
注意点②会費がかかる
学会発表をするためには、学会の年会費の他に、大会参加費を払う必要があります。そのため、複数の学会に何回も出ていると、それだけ費用がかかることとなります。
無料であればかまいませんが、基本的にほぼ全ての大会で費用がかかりますので、その点には注意が必要です。
さて、今回は学会についてお話ししました。
学会には大学教員以外でも会員になれますので、興味のある方は、自分の学びたい専門分野の学会に参加してみてはいかがでしょうか。
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