今回は共通テストの裏側に関する話をしたいと思います。
共通テスト
昨日から本日(2024年1月13日、14日)にかけて、共通テストが行われました。
私も端くれではありますが、大学教員であることから試験監督をしてきました。
2週間前くらいから試験監督に関する記事がじわじわと読まれていたため、もしかしたら大学関係者の方がご覧いただいているのかもしれませんが、興味のある方は、共通テストを含めた試験について書いていますので、以下の記事をご覧ください。
今回は共通テストの試験監督をするとき、毎年思うことについてお話ししたいと思います。
共通テストは多大な労力の上に成り立っている
あまり知られていないかもしれませんが、共通テストはいろいろな方の多大な労力の上に成り立っています。
考えてもみてください。
全国で同じ時間に同じ問題を一斉に解くことがどれだけ難しいのかということを。
滞りなくテストを終了させるためには、綿密な打ち合わせと準備が必要となります。
私たち教員はまだしも、職員の皆さんは会場設営から当日の学生対応、連絡系統の確認、試験後の解答用紙のチェック、送付など、山のように仕事があります。
教員に関しても、毎年数か月前から大学全体で昨年との変更点やトラブル時の対応など、研修を行ったうえで当日を迎えています。
決して受験生の皆さんに「感謝しろ」などと言いたいのではなく、受験生の皆さんにはそのようなことを全く考えず試験に集中してもらいたいのです。
そのための準備なのですから。
ただ、メディアの偏向報道についてはいただけないと感じます。
あくまで完璧を目指して職員は動いている
共通テストが行われている会場の外では、メディアが待ち構えていることも少なくなく、「何か問題はなかったか」「大学の対応はどうだったか」といった質問を生徒に投げかけることがあります。
共通テストが行われたということを報道するのならまだしも、粗探しのように「〇〇会場では〇分繰り下げがおこなれた」「職員の対応が誤っていた」などの報道が毎年なされています。
もちろん、私たち教員は試験監督をすることに対して手当てがでますし、高校生の人生を左右する2日間となりますので、ミスは許されません。
そのため、教員や職員もかなりの緊張感をもって業務にあたっています。
これまでのテストでは、高校生の緊張に当てられたのか、緊張で体調を崩した教員も見てきました。
それほどに運営側も緊張しているのです。
ただ、全国各地の会場で完全に同様に行うという規模を考えると、どうしてもミスが出てきてしまうというのが私の所感です。
そして、その緊張感を維持するために、メディアの報道もある程度必要なのかな、と感じるところもありますが、運営側に携わっている手前「運営側の苦労も知ってほしい」と思ってしまうのです。
ミスが出たときに、そのミスによって影響を受けた高校生からの苦情は真摯に受け止めて、適切に対応すべきだと感じます。
それ以前に、ミスを出さないよう最善の注意を払うことが重要だとも思います。
ただ、当事者以外の人が「どうだった」「ああだった」とミスをつつくのはどうなのかな、と感じてしまうのです。
これが「世論」というものなのでしょうけど、ネットが発達した現代において、これほど恐ろしいものはないと感じます。
今回は短いですが、共通テストの裏側についてお話ししました。
私一人がこのような記事を書いたところで、共通テストを行っている大学でミスが出れば、叩かれてしまうのだと思いますが、この記事をご覧いただいた方だけにでも、運営側の苦労を知っていただけたら幸いです。
受験された高校生の皆様、本当にお疲れさまでした。
そして、2次試験まで頑張ってください。
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