今回は秋の公募が小学校教員におすすめだということについてお話ししたいと思います。
タイトルと冒頭には「小学校教員におすすめ」と書きましたが、中学校、高校、特別支援学校、高専など、他の校種の先生方にもおすすめです。
何なら、異動を考えている大学教員にもおすすめとなりますので、あまり小学校教員だけにこだわらずにお読みいただけたら幸いです。
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①中規模から小規模大学の公募が増えてくる
秋の公募は中規模から小規模大学の公募が増えてくるため、現場から大学教員を目指されている方はチャンスとなります。
なぜ中規模から小規模大学の公募が増えてくるのかというと、以前もお話ししているかもしれませんが、春先から夏にかけては大規模大学の公募が活発に動くこともあり、そこで出た欠員に対する公募が秋に流れてきやすいからです。
もちろん、中規模や小規模大学の公募も春先から夏にかけて出されてはいるのですが、大規模大学の公募が同時期に出ていた場合、そちらに応募者が流れる傾向にありますので、どうしても中規模、小規模大学は後回しにされがちです(このことを逆手に取り、最初から中規模、小規模大学を狙っていくという方法もあります)。
そして、夏までに大規模大学への異動が決まった場合、当然のことながら、現任校には退職の意を伝え、後任人事を起こしてもらう必要がありますので、この後任人事がチャンスとなるわけです。
現場から大学への異動を考えられている方の場合、一般論となりますが、現場経験はあれども、論文や書籍の出版といった活字業績が少ない場合が多いかと思います。その場合、大規模校へといきなり応募するのはハードルが高い、というか、その他のバリバリの研究者も応募してきますので、無茶とも言えます。
実務家教員が増えている傾向があるとはいえ、活字業績が必要であることは文科省も指摘していますので、活字業績がない場合、競争率の高い大規模校への応募は避けたほうが賢明です。
一方で、中規模、小規模校であれば、競争率がやや下がるため、実務家教員枠にもフィットする可能性が高まり、採用の可能性が高まるというわけです。
以上のことから、秋に出る公募は現場の先生方が大学への異動を考えている場合、大きなチャンスが訪れる時期とも言えます。
※年度末の公募はさらにチャンスが高まりますが、危険な大学も増えてきます。詳細は以下の記事をご覧ください。
②公募に集中できる(場合がある)
2つ目のメリットとして、秋は比較的公募に割く時間がとりやすい、ということが言えます。
公募書類の作成は、なんだかんだで手間がかかり、以前提出した公募書類を使いまわしにするとしても、細かい修正が必要となるケースがほとんどです。
そのため、通常業務に加えて公募書類の作成を行うとなると、意外と時間がとられてしまいます。
年度初めは学年やクラスが変わることも多いことから、日々の業務に慣れるのに時間がかかることがあります。また、最近では5月頃に運動会を行う学校も増えているため、なかなか書類作成の時間を捻出することが難しいのです(少なくとも私はそうでした)。
一方、秋ごろには通常業務にもある程度慣れてくるため、行事はあれど、少しずつ時間の使い方が上手くなっている可能性があります。
そうなると、公募の情報を集めたり、活字論文を書いてみたり、学会に参加してみたりと、大学への異動につながる活動が行いやすくなります。
もちろん、学校によっては秋ごろが一番忙しいという場合もありますので一概には言えませんが、業務への慣れを考えたときには、秋ごろが最も活動しやすくなるのかなと思います。
(余談ですが、私の勤めていた小学校では、2学期に公開研究会、指導室訪問、市の教育研究会における代表授業、その他遠足などの通常行事が重なり、地獄のようでした。ただ、その中でも学会発表はおこなっていたため、最終的には気合かもしれません。)
③退職の意向を伝える時期としてちょうど良い
もし、公募を出して、見事採用を勝ち取った場合、現在の職場には退職の意向を伝えなければならないわけですが、その時期としても秋ごろはちょうど良いと感じます。
まず、春先から夏にかけては、まだ次年度に向けての動きが少ないため、学校としても人事に対する意識が低いです。
早めに伝えることに越したことはないのですが、早く伝えすぎて、その後の人間関係が悪くなったという話も聞いたことがありますので、あまり早く伝えすぎるのもデメリットがあります。
(「あいつはどうせ辞めるから」、「来年はいないんだから今年度はたくさん働いてね」などといった悪口や理不尽な仕事の押し付けが起こる可能性があるということです。)
逆に年度末に退職の意向を伝えると、人事が固まっていた場合、再検討する必要性が出ててきて、周りに迷惑をかけてしまいますので、遅すぎるのも問題です。
そのため、遅くと11月から12月といった年内に退職の意向を伝えるというのが最も適している時期なのではないかと個人的には思っています。
以上のことから、現在出ている秋の公募は現場の先生方におすすめといえます。
個人的には大学への異動本気で考えている場合、職場環境が多少悪かろうと、「大学(短大)」または「高専」で勤めることが、その後のキャリアを考える上では最短ルートかと思いますので、年度末の公募もチャンスではあると思います。
ただ、中規模大学へと行けるのであれば、それに越したことはありませんので、どんどん公募にチャレンジすることをおすすめします。
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