今回は「反応遊び」についてお話ししたいと思います。
「反応遊び」とは、一般的に「反射神経」と呼ばれる瞬間的な反応が勝敗に結びつく遊びです。このように書くと、「反射神経」が良くない人は楽しめない、と思うかもしれませんが、決してそうではありません。反応が速かったとしても、指示やルールに沿った動きがきちんとできなければ勝利へとはつながらないのです。
「たたいて、かぶって、じゃんけんぽん」という遊びを知っている方だとお分かりかと思いますが、早く反応したとしても、その判断が間違っていたら勝利へとはつながりません。冷静に状況判断をして、攻めるのか守るのか、という行動がができなければ、遊びに勝つことはできないのです。
相手の動きや指示によってその後の動きを判断し、自分の体を動かす、という大人であれば誰もが無意識に行っていることも、成長途中の子ども達にとっては運動感覚を鍛える重要な経験になり得ます。
今回は、誰でも簡単にできる遊びを紹介していきますので、瞬発的な力を伸ばしたい場合に活用してみてください。
①グーパージャンプ
2人組をつくります。
片方は開脚をしながら座り、片方は開脚をしている人の足の間に立ちます。
【座っている人】
開脚と長座を繰り返します。ペアの人が自分の足に当たらないようにジャンプをしますので、一定のリズムで足の開閉ができるとよいでしょう。
【立っている人】
相手の足に当たらないように、開脚跳び(パージャンプ)と閉脚跳び(グージャンプ)を繰り返します。相手の足を踏んでしまわないように最初はゆっくり跳び越えられるとよいでしょう。
お互いに開脚と閉脚を繰り返す遊びですが、運動量はしっかり確保することができます。座っている人も開脚と閉脚を繰り返すためには、腹筋や背筋を使いますので体力が必要です。
最初はお互いに恐怖があるかもしれないので、1回ずつ区切って跳び、慣れてきたら少しずつスピードを上げていくとよいでしょう。親子でも盛り上がる遊びなので、保護者と子どもでやってみてもよいかと思います。
②キャッチプル
じゃんけんが理解できる年齢以上であればどこでも楽しめる遊びです。何度も繰り返して楽しめますので、主活動の導入にも活用できます。
①2人組を作って片方の手で握手をします。
②握手をしたまま、もう片方の手でじゃんけんをします。
③じゃんけんで勝った人は、握手している手をすぐに離します。反対にじゃんけんで負けてしまった人は握手している手を離されないよう、ぎゅっと握ります。
じゃんけんに勝っても逃げられなかったり、負けたけれど捕まえられなかったりすると負けとなります。
①~③を繰り返すだけのシンプルな遊びです。どちらも握ってしまったり、どちらも逃げてしまったりと、自分の取るべき行動が瞬時に判断できないことがあります。ただ、それが楽しい遊びでもありますので、繰り返し何度か遊んでみることをおすすめします。
慣れてきたら、反対の手で握手したり、勝ったら握る、負けたら逃げる、という風にルールを変えてもよいでしょう。
③かみなりさん
寝返りができたら楽しめる遊びですので、比較的低年齢の子ども達にも人気のある遊びです。
①1人鬼を決め、それ以外の参加者は仰向けになって寝転がる。
②鬼は「ゴロゴロゴロゴロ…」と言いながら間をとります。この時、参加者は仰向けになったり、うつ伏せになったりとゴロゴロ転がります。(寝返りが繰り返しきない子どもは仰向けのままでも大丈夫です。)
③「ドーン!!」と鬼が言ったら、「おへそ」を隠すようにうつ伏せになります。
④うつ伏せになる前に鬼にタッチされた人が次の鬼となります。
寝返りをしながらゴロゴロ転がるという楽しい遊びです。鬼の指示も簡単ですので、3歳以上児であればほとんどすべての子どもが楽むことができます。
④ひざタッチ
この遊びは反応ももちろんですが、駆け引きを楽しむことができる遊びです。
①2人組をつくり、お互いに片方の手で握手をする
②もう片方の手で、相手の膝をタッチする。
③握手している手を離したり、相手に膝をタッチされたら負け。
これだけのシンプルな遊びです。しかし、相手のタッチをよけながら、自分も相手の膝をタッチしなければなりませんので、駆け引きがうまれるとともに、避けたり踏み込んだりと、身のこなしが上手になります。
⑤ねことねずみ
この遊びはかけっこの要素も含んだ遊びとなります。ある程度広さのある場所が必要となりますので、外、または遊戯室等で遊ぶことをおすすめします。
①2列に並び「ねこ」チームと「ねずみ」チームに分かれます。
②「ねこ」チームと「ねずみ」チームが向かい合い、自分のペアとなる人を確認します。(両チームの間は1mくらいがちょうどいいです。)
③指示者が「ね~ね~ね~ねこ!!」というふうに、「ねこ」か「ねずみ」をコールしたら、呼ばれたチームは壁に向かって走ります。呼ばれなかったチームは、ペアが壁に到達する前にタッチをします。呼ばれたチームは壁にタッチできたら勝ち、呼ばれなかったチームはペアをタッチできたら勝ちとなります。
指示者は、ときどき「ネジ」「ネクタイ」「寝言」といった、「ね」のつく言葉を間に挟むと盛り上げることができます。
全速力で走るため、運動量も確保することのできる反応遊びです。
今回は簡単な反応遊びについて紹介しました。反応遊びは反射神経を鍛えるだけでなく、冷静に判断する力も伸ばすことができます。今後も少しずつ紹介していきますので、よかったらチェックしてみてください。